ハゲタカいれば狙われる?「含み資産株」(窪田真之)楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト

不動産業は市況産業です。過去を振り返ると、ブームと不況を繰り返してきました。1973年、90年、2007年に市況のピークがありました。1973年は列島改造論のブームの中で不動産価格が高騰しましたが、オイルショックが起きると急落しました。90年にピークを迎えた不動産バブルは90年代に崩壊し、2007年がピークの不動産ミニバブルは08年のリーマン・ショックで終焉(しゅうえん)となりました。

図に示した04年以降の業種別東証株価指数「不動産業」の動きをご覧ください。最近は学習効果でブームのときに投資家が不動産株を買わなくなったのが分かります。ただし、私は投資家はやや警戒過剰に陥っていると思っています。

実質PBR1倍を大きく割り込む銘柄が増加

不動産セクターには業績が好調で、含み益が拡大しているにもかかわらず、株価が上がらないため、解散価値といわれるPBR1倍を大きく割り込む銘柄が増えています。

賃貸不動産に巨額の含み益があるのは不動産会社ばかりではありません。電鉄、倉庫など様々な業種に含み資産株があります。

楽天証券経済研究所は18年3月期の有価証券報告書または決算短信を基に実質PBR(3月12日時点の株式時価総額を実質純資産で割って計算。実質純資産は純資産に不動産含み益の7割を加えたもの)を算出しました。その上で、実質PBRが0.7倍以下で、19年3月期に会社予想ベースで連結営業利益または経常利益で最高益を見込む7社をピックアップしました。

近年、まったく不人気となってしまった含み資産株ですが、実質PBRが低すぎる銘柄で最高益を更新しそうな銘柄は、いつか見直されると可能性もあると考えています。個人投資家の皆さんも参考にしてみてください。

プロのポートフォリオは運用に精通したプロが独自の視点で個人投資家に語りかけるコラムで、原則火曜日掲載です。
窪田真之
楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト。1961年生まれ。84年慶応義塾大学経済学部卒業後、住友銀行(当時)入行。99年大和住銀投信投資顧問日本株シニア・ファンドマネジャー。2014年楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジスト、15年所長。大和住銀では日本株運用歴25年のファンドマネジャーとして活躍した。
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