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ハゲタカいれば狙われる?「含み資産株」(窪田真之) 楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト

2019/3/19

写真はイメージ=123RF
「過去の学習効果で、最近はブームのときに投資家が不動産株を買わなくなった」

今、日本の株式市場には保有不動産に巨額の含み益があるにもかかわらず、株価が割安な水準にとどまっている銘柄がたくさんあります。ハゲタカファンド(買収ファンド)がいれば、まっ先に狙われそうな銘柄群です。

1990年代後半に金融危機に見舞われた日本では、欧米のハゲタカファンドが銀行の保有する担保不動産の購入を活発化しました。2000年以降は企業再生ファンドが増え、企業を買いたたくハゲタカファンドと騒がれましたが、その後は国産ファンドも次々登場し、ハゲタカという言葉はあまり聞かれなくなりました。

当時は巨額の含み益を有するにもかかわらず利益水準が低く、含み益を考慮した実質PBR(株価純資産倍率)が1倍を大きく割れ、株価が安い企業がターゲットとなりました。一定量の株を買い集めた上で、企業に「含み益のある資産を売却して配当金を大幅に増やすこと」などを強く要求しました。

ただし、短期的な利益を狙って株主権を乱用するハゲタカファンドには社会的批判が集まりました。今主流になっている「物言う株主」は企業と対話しながら、企業価値を高めていくことを目指すファンドです。

■ブームでも買われなくなった不動産株

一方で、割安な「含み資産株」に敵対的買収を仕掛けるファンドがなくなった結果、純資産価値と比較して割安な銘柄はそのまま放置されるようになりました。今日はそういう含み資産株に改めてスポットライトを当てます。

アベノミクスが始まった13年以降、異次元金融緩和と景気回復の効果で不動産市況が好転しました。今、都市部は不動産ブームの様相を呈しています。それによって、大手不動産会社を中心に賃貸不動産の含み益が拡大しています。

ところが、ブームの渦中にあるにもかかわらず、不動産株は13年に高値を付けてから、下落が続いています。不動産ブームがいずれピークアウトすることが意識されているため、業績が好調でも積極的な買いが入りにくくなっています。

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