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白菜と豚肉、モヤシのみで勝負

一般的なタンメンは白菜・キャベツ・ニンジン・ネギなどの野菜やキクラゲなど、多種多様なトッピングが豪快に盛り付けられ、これらを麺とともに豪快に食らうといったイメージが強い食べ物。この点、同店のタンメンは麺・スープ以外に登場するのは、強火でいためた大量の白菜と、豚肉&モヤシのみ。

素材の引き算を妥協なく遂行し、味に好影響をもたらさないぜい肉は徹底的にそぎ落とす。その結果生まれる洗練されたビジュアルが、かえって強いインパクトをもたらし、食べ手の好奇心をかき立てる。

レトロ喫茶の跡地にひっそりとたたずむ

食べ物の「魅(み)せ方」を分かっているように見える店長に「どこかほかの飲食店で修業された経験はおありなんですか」と尋ねてみた。すると、予想どおり「複数の飲食店で修業を重ねてきました」とのご回答。

スープを丹念に舌の上で転がせば、白菜&塩の豊潤かつ自然味豊かな甘みが口いっぱいに広がり、喉元にさわやかな後口(あとくち)を刻む。

スープだけではない。適度に粉っぽさを演出した小麦の風味芳しい細ストレート麺は自家製だ。

多岐に及ぶ中国・韓国の辛子を吟味し、最良のものを選び抜いて創り上げた自家製ラー油も、スープに一滴垂らせばうま味と甘みをキリリと引き締め、さらなる高みへと昇華させるこん身の力作。

近い内に、ギョーザの提供も始める予定だという。自家製ラー油がギョーザの衣を紅に染める様子を想像するだけで……。ゴクリと生唾を飲み込んでしまいそうになるほど魅惑的だ。

フードトラックを使った「担担混麺 紅麗」

担担混麺 紅麗

<フードトラックを活用した斬新さ。開放的な気分ですする絶品「担担混麺」>

銀座の食生活を彩るラーメン店は必ずしも小奇麗でしゃれっ気のあるものばかりではない。ここで紹介する「担担混麺 紅麗(くれい)」は、なんと常設店舗すら使わないフードトラック形式での営業を敢行する異色店だ。

ここ数年、フードトラックなどを活用して弁当を売り歩く業者の姿をチラホラ目にするようになってきた。だが、厨房設備が貧弱になりがちなフードトラックで、寸胴などの器具が必要なラーメンが提供の対象となることは珍しい。ラーメンと言えば、昭和の昔においては「屋台の食べ物」といったイメージを想起させたものだ。しかし平成以降、ラーメン屋台の数は激減傾向にある。「そのような状況において、どうしてフードトラックでの出店を決めたのか」と問うと、「こういう業態でラーメンを売ってみるのも面白いと思ったから」というシンプルな答えが返ってきた。

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