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タンメン専門に名店系屋台 東京・銀座ラーメン激戦区

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NIKKEI STYLE

今回は少し視点を変えて、「エリア」に焦点を当てる。そのエリアで訪問するに値する店舗を紹介させていただく。

というわけで、どのエリアにするか。ラーメン的に「今最も熱いエリアのひとつ」との呼び声も高い「東京・銀座」を指名することにした。

銀座は特にここ1~2年、おおむね1カ月に一度の頻度で新店が産声を上げているラーメン激戦区。銀座でオシャレなレストランでゆったりとした時間を過ごすのも良いが、たまにはラーメンに舌鼓を打つ、なんていう時間があっても良いのでは?ということで、「いかにも銀座」といった雰囲気ではない店をチョイスした。

銀座たんめん

<「たんめん」のみを真摯に提供。引き算を貫いたシンプルな1杯>

ロケーションは東京メトロ・東銀座駅から徒歩3分程度。首都高速東銀座出口を間近に臨む側道沿いにひっそりとたたずむ「銀座たんめん」は2019年1月にオープンした新店舗だ。

銀座界隈の飲食店事情に明るい方であれば、お気づきになるかもしれないが、この場所はレトロ喫茶「珈琲いしうす」の跡地。必ずしも喫茶店の情報に詳しくない私は「いしうす」の存在自体を知らなかったが、8時から17時まで営業する老舗喫茶だった模様。閉店し名残を惜しんでいる方もいるのではないだろうか。

今回紹介する「銀座たんめん」は屋号が示すとおり、タンメン専門店だ。3月中旬時点で、タンメン以外のメニューには手を広げず、店を入った左手にそびえたつ券売機のラインアップも「たんめん」(800円)、「たんめん大盛」(900円)以外はアルコール類(「缶ビール」「缶サワー」「缶ハイボール」)のみ、という潔さ。

私がこちらに足を運んだ夜間の営業時においても、タンメンを頼みながら2、3本の缶ビールを空けていくサラリーマンの姿が散見された。

さて、同店の「たんめん」は動物系素材から丁寧にだしを採った透明感のあるスープに白菜がうずたかく積み上がった、この上なくシンプルな装い。カウンターに丼が到着した瞬間から、モクモクと立ちのぼり眼鏡を曇らせる湯気に、「できるだけ熱々の状態で召し上がってもらいたい」という作り手の思いが伝わってくる。

一般的なタンメンは白菜・キャベツ・ニンジン・ネギなどの野菜やキクラゲなど、多種多様なトッピングが豪快に盛り付けられ、これらを麺とともに豪快に食らうといったイメージが強い食べ物。この点、同店のタンメンは麺・スープ以外に登場するのは、強火でいためた大量の白菜と、豚肉&モヤシのみ。

素材の引き算を妥協なく遂行し、味に好影響をもたらさないぜい肉は徹底的にそぎ落とす。その結果生まれる洗練されたビジュアルが、かえって強いインパクトをもたらし、食べ手の好奇心をかき立てる。

食べ物の「魅(み)せ方」を分かっているように見える店長に「どこかほかの飲食店で修業された経験はおありなんですか」と尋ねてみた。すると、予想どおり「複数の飲食店で修業を重ねてきました」とのご回答。

スープを丹念に舌の上で転がせば、白菜&塩の豊潤かつ自然味豊かな甘みが口いっぱいに広がり、喉元にさわやかな後口(あとくち)を刻む。

スープだけではない。適度に粉っぽさを演出した小麦の風味芳しい細ストレート麺は自家製だ。

多岐に及ぶ中国・韓国の辛子を吟味し、最良のものを選び抜いて創り上げた自家製ラー油も、スープに一滴垂らせばうま味と甘みをキリリと引き締め、さらなる高みへと昇華させるこん身の力作。

近い内に、ギョーザの提供も始める予定だという。自家製ラー油がギョーザの衣を紅に染める様子を想像するだけで……。ゴクリと生唾を飲み込んでしまいそうになるほど魅惑的だ。

担担混麺 紅麗

<フードトラックを活用した斬新さ。開放的な気分ですする絶品「担担混麺」>

銀座の食生活を彩るラーメン店は必ずしも小奇麗でしゃれっ気のあるものばかりではない。ここで紹介する「担担混麺 紅麗(くれい)」は、なんと常設店舗すら使わないフードトラック形式での営業を敢行する異色店だ。

ここ数年、フードトラックなどを活用して弁当を売り歩く業者の姿をチラホラ目にするようになってきた。だが、厨房設備が貧弱になりがちなフードトラックで、寸胴などの器具が必要なラーメンが提供の対象となることは珍しい。ラーメンと言えば、昭和の昔においては「屋台の食べ物」といったイメージを想起させたものだ。しかし平成以降、ラーメン屋台の数は激減傾向にある。「そのような状況において、どうしてフードトラックでの出店を決めたのか」と問うと、「こういう業態でラーメンを売ってみるのも面白いと思ったから」というシンプルな答えが返ってきた。

さて、「紅麗」が提供するのは、東京都北区東十条の超人気店「麺処ほん田」の人気限定メニュー「汁なし担々麺」に、さらなる磨きを掛けた1杯。味の方もお墨付きなのだ。

「『汁なし担々麺』の『汁なし』という言葉の語感に違和感を感じ、商品名を『担担混麺(たんたんまぜめん)』としました」

メニュー名にすら妥協を許さないストイックな姿勢。そこに、「フードトラックでの提供だから少しぐらい手を抜いても構わないだろう」といった甘えが介在する余地はない。もちろん、完成品もトラックまで客が出向き受け取る「セルフ方式」でなく、スタッフが客のいる場所まで持ってきてくれる。食べ手に労力を使わせない客本位のオペレーションが徹底されている。

そのような感覚で創り上げられる「担担混麺」(850円)のクオリティーの高さは当然のことながら、一般的にイメージされるフードトラックのB級グルメとは別次元のものだ。

芝麻醤(チーマージャン)・ひき肉・タレはもちろん、既製品で間に合わせがちなラー油に至るまで、全てが自家製。熟成期間が異なる2種類の豆板醤(トウバンジャン)を用い、奥行きと厚みのあるうま味を創り上げるなど、実力店「ほん田」ならではギミックもしっかりと継承している。

「ラー油は複数の唐辛子&スパイスに香味野菜を調合したものです。軽薄でないうま味を生み出すため、数え切れないほどの研究と試作を重ねました」。すさまじいこだわりようだ。

ラー油や唐辛子に由来する「辣(ラー)」の辛みと、中国山椒(サンショウ)・山椒油に由来する「麻(マー)」の辛みを掛け合わせた汁なし担々麺は、今やそれほど珍しい存在ではない。しかしながら、「麻」のしびれにかき消されないだけの香りを持つ山椒を厳選する、担々麺の味の要である「黒酢」を本場・中国から取り寄せる、など、「もうひと工夫」を着実に施すことで、名店「ほん田」の顔が見える1杯を提供することに成功している。

合わせる麺もまた秀逸だ。モッチリとした食感と滑らかなすすり心地が印象深い「心の味食品」(製麺業者)の中太ストレートを採用。担々ソースをしっかり絡め取り、適量を的確に口元へと運び込む見事な仕事ぶり。

頭上に空が広がる開放的な空間で、こんな逸品が堪能できるなんて!

銀座ラーメンシーンの奥深さを再確認できたような気がした。

(ラーメン官僚 田中一明)

田中一明
1972年11月生まれ。高校在学中に初めてラーメン専門店を訪れ、ラーメンに魅せられる。大学在学中の1995年から、本格的な食べ歩きを開始。現在までに食べたラーメンの杯数は1万4000を超える。全国各地のラーメン事情に精通。ライフワークは隠れた名店の発掘。中央官庁に勤務している。

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