4月1日は魚のお菓子を ポワソンダブリル拡大中
日本で4月1日というと「エープリルフール」が思い浮かぶが、同じ日、フランスでも「ポワソンダブリル(Poisson d'avril)」という習慣を楽しんでいる。「4月の魚」という意味で、他愛のないウソやいたずらを楽しむという。
「フランスでは4月1日に子どもたちが魚の絵を友だちの背中にこっそりと貼ってからかったりする遊びがあるんです」と教えてくれたのはフランス大使館のジョアン・ヴァラドゥー広報参事官。「貼られた人が気づくと『ポワソンダブリル』と叫んで笑い合います」
もともとエープリルフールもフランスが起源という説もあるという。
「16世紀フランス王シャルル9世が新年の始まりをそれまでの3月末から1月1日に変更したのに反対して、4月1日をウソの新年としたことが始まりという説もありますが、はっきりしたことはわかっていません」とヴァラドゥーさん。「同じようにポワソンダブリルも、新年が1月1日になった後もそのことに気づかず3月末から4月初めに新年の贈り物をする人をからかい偽の魚を贈ったという説や、時期がイースターと重なることからキリストを象徴する魚(イクトゥス)を取り入れたなど、説はあまたあります」
ただ、この時期にフランスの人たちが魚をかたどった料理をみんなで楽しんでいるのは間違いない。ここ数年、日本でもポワソンダブリルをメニューに取り入れる店が増えている。どんなものがあるのか。ホテルや菓子店で販売されるポワソンダブリルを紹介する。
グランドハイアット東京
東京・六本木にあるホテル「グランドハイアット東京」(東京・港)1階のショップ「フィオレンティーナ ペストリーブティック」では、4月1日から4月下旬まで、「ポワソン ダブリル クッキー」を販売している。焼き上げからデコレーションまですべてハンドメード。一つ一つの表情の違いも楽しい。
帝国ホテル東京
帝国ホテル東京(東京・千代田)の本館1階ホテルショップ「ガルガンチュワ」でも数量限定で「ポワソンダブリル」を販売する。魚型のパイにカスタードクリームとイチゴをのせた。チョコレートでつけた目が楽しい。3月24日から4月1日までの期間限定販売。
ホテルニューグランド
「ホテルニューグランド」(横浜市)では、3月26日から4月1日までの間、コーヒーハウス「ザ・カフェ」で「ポワソンダブリル」を販売する。カスタードクリームとパイ生地の上にイチゴがのせられている。テークアウトのみで3日前までの予約が必要。
サー ウィンストンホテル 名古屋 by ストリングス
「サー ウィンストンホテル 名古屋 by ストリングス」(名古屋市)のビュッフェレストラン「スカラテラス」でもポワソンダブリルが登場している。5月31日まで期間限定で開催されている「ピクニック ランチデザートブッフェ」「ピクニック デザートブッフェ」で、デザートとして魚をモチーフにしたいちごのタルト「ポワソンダブリル(4月の魚)」が食べられる。
ル・ショコラ・アラン・デュカス
日本橋や六本木に店舗を持つフランスのチョコレートショップ「ル・ショコラ・アラン・デュカス」でも魚をモチーフにしたチョコレートが登場。「グラン・ポワソン・ダヴリル」は10cm×21cmという大きめのショコラで、中には貝殻や魚、エビなどをかたどったショコラとフリチュール・プラリネが入っている。4cm×9.5cmのショコラ「プティ・アヴリル」もある。
ルコント
フランス菓子専門店「ルコント」では、クレームパティシエール(カスタードクリーム)と、いちごなどのフリュイルージュ(赤い果実)をのせた魚の形のパイ「ポワソン・ダブリル」を4月1日限定で販売する。販売店舗は広尾本店、銀座店、日本橋三越店。数量限定のため、店頭で事前に予約を受け付ける。
(文 北本祐子)
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