変わる渋谷 「ポスト孫正義」も育む子育ての街へ

ペッパーが出迎えてくれる渋谷の孫正義育英財団の一室
ペッパーが出迎えてくれる渋谷の孫正義育英財団の一室

大規模な都市再開発が進む東京・渋谷。若者が買い物をしたり、飲食したりする街というイメージが強いが、次々高層オフィスが建設され、ビジネスパーソンの姿が目立つようになった。一方で「子育てにも最適な環境」という声もある。IT(情報技術)やグローバル分野に明るい未来の人材を育てる街としても注目を集め始めている。

■異才を育てる財団 中学生の天才プログラマーも

「すごく快適な空間ですよ」。2017年に渋谷にオープンした複合施設「渋谷キャスト」。ベンチャー企業などが集うビルの一角にはソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏が運営・管理する孫正義育英財団の一室がある。今年3月初旬、この空間で中学1年生の大塚嶺さんは学校帰りのひとときを過ごしていた。

孫財団は17年に優れた若者を発掘・支援するプロジェクトを開始、渋谷に拠点を構えた。現在、8歳から25歳までの異才145人が支援対象者に選ばれ、年齢性別を越えて共同研究するなど交流を深めている。大塚さんは国主導の天才プログラマー発掘事業「未踏」の年少者版「未踏ジュニア」に選ばれ、その中でも卓越した成果を上げた「スーパークリエータ」にも認められた。

人型ロボット「Pepper(ペッパー)」が受付で出迎えてくれる孫財団の一室。スーパーコンピューターなどの端末もそろい、飲食も無料で提供してもらえる。メンバーになれば、勉強するのも昼寝をするのも自由。小学生と起業家が冗談を交わしたり、本気でアイデアを出し合ったり、議論したりして刺激し合い、様々なプロジェクトを立ち上げている。

LGBT(性的少数者)の就職活動を支援するスタートアップ企業、jobRainbow(ジョブ・レインボー)を立ち上げた代表取締役の星賢人さんもメンバーの一人だ。東京大学大学院在学中に起業した。「私もLGBTで苦悩してきましたが、渋谷は自治体も地元企業も理解があり、応援してくれます。渋谷という街をLGBT支援の日本のセンターにしたいと考えています。会社のオフィスも東京・日本橋から渋谷に移しました」という。渋谷区は同姓カップルの結婚に相当する「パートナーシップ」と認める証明書を発行した全国初の自治体だ。

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