「完全栄養」うたうパン 多忙で食に気を配れない人に
食品ベンチャーのベースフードは世界初の完全栄養パンとして「BASE BREAD」(ベースブレッド)を2019年3月4日から同社直販サイトで発売した。小麦全粒粉をベースに大豆、チアシード、真昆布、小麦胚芽、米ぬかなどをブレンドし、ロールパン型に焼き上げたパンで、1食分(2個)で1日に必要な栄養素の3分の1が摂取できるという。直販価格は1食分あたり390円(税込)で、8食分セットから購入できる。
主なターゲットは20~40代の男女。仕事や家事に忙しく、食生活に気を配る余裕のないビジネスパーソンや女性層になる。「朝、忙しくて時間がないときの朝食や、子育てで手が離せないときの昼食など、忙しいときでも簡単に食べられて、栄養バランスが良い主食として開発した。健康食だからという理由だけでなく、おいしいから食べたいと思って選んでもらえるように、味にもこだわった」とベースフードの橋本舜社長は話す。
開発ではさまざまな材料をパン生地に練り込みつつ、パンとしての食感や風味を損なわないように工夫を重ねた。同社は17年2月に完全栄養パスタとして「BASE PASTA」(ベースパスタ)を商品化して話題を呼んだ。BASE PASTAはその後、ユーザーからのフィードバックを参考に味や食感などの改良を重ねて、材料の混ぜ込み方などで独自のノウハウを蓄積してきた。BASE BREADにはそうした経験を生かすことで、最初から完成度の高い製品として発売できたという。
BASE BREADは冷凍した状態で配送され、約2カ月の冷凍保存が可能。自然解凍でも食べられるが、包装袋の口を少し開けた状態で電子レンジを使って約3分で調理できる。1食2個当たりで、熱量は379キロカロリー、糖質は34.9グラム、脂質は9.2グラムだ。これは同量のロールパンに比べ糖質50%オフ、脂質30%オフ、カロリー20%オフ相当になるという。
生産は愛知県の工場に委託する。19年内に100万食が販売目標という。「インパクトのある(売り上げの)数字を出したい。今日がパンの歴史を変える1日だったと言われるようにしたい」(橋本舜社長)と会見で意気込みを見せた。
(ライター 湯浅英夫)
[日経クロストレンド 2019年3月4日の記事を再構成]
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