2018年は連ドラ『やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる』でのいじめの標的になる女子学生役や、『獣になれない私たち』での京谷(田中圭)の母(田中美佐子)の独身時代などを繊細に演じ、強い印象を残した森七菜。17年に女優デビューしたばかりの17歳だ。

1~3月期ドラマでは『3年A組-今から皆さんは、人質です-』に、電脳部に所属するアニメ好きの堀部瑠奈役で出演した。「キャラクターについては、何を考えているのかよく分からない子だとお聞きしましたが、なかなか理解するのが難しくて。身近に瑠奈に似ている感じの人がいるので、その子をイメージしながら、役に近付けるように頑張りました。緊迫感のある話なので、共演者のみんなとは、モニターを見ながら『このシーンすごいね』と話したり。一颯先生(菅田将暉)には、心臓をつかまれるような迫力があって。スタンバイ中も心を緩めない感じに圧倒されていました」。
オーディションで抜てき
もともとドラマが大好きで、坂元裕二脚本の『Woman』(13年)など、セリフを書き起こしていたほど。『先に生まれただけの僕』(17年)に出演した際は、両作品に携わる水田伸生監督に自ら話しかけに行ったそう。「私のすごく好きなシーンについて、どう撮ったのかを教えてくださいました。『獣なれ』では水田監督とご一緒するのが2度目だったので、期待に応えられるかとガチガチに緊張してお会いしたら、『ロボットみたいだぞ』って言われました(笑)」。
オーディションに強いことが記事になったこともある。7月19日に公開される新海誠監督の新作アニメ『天気の子』では、ヒロインに抜てきされた。「オーディションのときに、相手の帆高役を新海監督がやってくださったんです。驚いたけど、不思議とリラックスしてできました。先日Vコンテを見させていただいて、『私が陽菜? 本当にいいのかな』と思いましたが、この作品に取り組めることが大きな喜びになっています」。
(ライター 内藤悦子)
[日経エンタテインメント! 2019年3月号の記事を再構成]