定年後はインフレに負けぬ運用 物価連動国債は一案経済コラムニスト 大江英樹

そんな大切なお金をリスクが高い運用にさらすのは感心できません。定年後における資産運用の目的はあくまでも「購買力の維持」ということに力点をおくべきでしょう。

そう考えた場合、高齢者の運用に適していると考えられるのは「物価連動国債」です。これは物価が上がれば元本も増えるため、購買力の維持には最適です。

しかしながら、購入金額は最低1000万円単位ですし、新規発行をそのままどこの金融機関でも購入できるわけではありません。定年後に退職金をまとめて運用するのはいいと思いますが、一般の個人が利用するには少しハードルが高いかもしれません。

個人でも比較的買いやすいのは「個人向け国債変動10年」です。これは完全に物価上昇にスライドするわけではありませんが、最低1万円から投資できますので定年退職者の資産運用には向いていると思います。

運用は「攻め」ではなく「守り」に徹する

多少なりともリスクを取れるのであれば、グローバルに分散投資する投資信託を少しずつ購入することもいいでしょう。ただし、あくまでも短期的には価格変動による影響を受けますから、それに耐えうるぐらいの気持ちを持ち、余裕資金の範囲内で行うべきです。間違っても退職金でまとめて投資するようなことはやらないのが賢明です。

定年後の資産運用は「攻めの運用」ではなく、お金の購買力を維持する「守りの運用」に徹すべきではないでしょうか。

「定年楽園への扉」は隔週木曜更新です。次回は4月4日付の予定です。
大江英樹
野村証券で確定拠出年金加入者40万人以上の投資教育に携わる。退職後の2012年にオフィス・リベルタスを設立。著書に「定年3.0 50代から考えたい『その後の50年』のスマートな生き方・稼ぎ方」(日経BP社)、「定年男子 定年女子 45歳から始める『金持ち老後』入門!」(同、共著)など。http://www.officelibertas.co.jp/

定年3.0 50代から考えたい「その後の50年」のスマートな生き方・稼ぎ方

著者 : 大江 英樹
出版 : 日経BP社
価格 : 1,512円 (税込み)


近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし
近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし