タブレット5製品 デジタルペンで使い勝手を検証

日経トレンディ

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2画面タブレットや驚くほど軽いノートパソコンなど、この1年で、個性的なモバイル機器が多数登場している。職場のパソコンに、業務効率化につながる1台を加えるには良いタイミングだ。

では、自分の仕事に合ったパソコンやタブレットはどう選べばよいのか。デジタル機器に詳しいビジネス書作家の戸田覚氏は、「自分の仕事で、デジタルペンや携帯性が必要かを考えて製品分野を絞り込む」ことを勧める。

デジタルペンがあるとよいのは、メモ取り、書類のチェック、アイデア整理、作図などを効率的にしたい人。例えば、企画や調査の担当者が重宝する。最近のデジタルペンは、筆圧やペンの傾きまで検知するほど高精度で、指で書くのとは段違いの使いやすさだ。

一方、携帯性が必要なのは、外回りや出張が多い人。出先でのプレゼンや、移動中の書類作成などで持ち歩く機会が多いなら、できれば1キロ以下の製品から選びたい。最近は、パソコンなら800グラム以下、タブレットのみなら500グラム以下の製品もある。文字入力のためにタブレットとキーボードをセットで持ち歩いても800グラム以下に収まる。

描画速度が書き心地に影響

今回は軽さを優先し、小型タブレットの選び方を具体的な製品を通して見ていく。小型タブレットは、ペンの使い勝手を中心に5製品をチェックした。用途によってお薦めが異なる可能性があるので、プロの画家と筆記具の専門家に評価を依頼。イラスト描画と文字入力の両面で各製品を比較した。

洋画家の渡辺香奈氏は、描きやすいペンの条件として、「ペン先を速く動かしても正確に描画できること」を第1に挙げた。例えば、鉛筆などのデッサンでは、平行線を何本も引いて面を作る「ハッチング」という技法をよく使う。描画が遅いタブレットでは、これがうまくできない。そういった速度面で優れていたのは「11インチiPadプロ」(アップルジャパン)。「ペンの感触も実際の色鉛筆にかなり近かった」(渡辺氏)という。同氏は次点として、「手元で操作できるペンのボタンが押しやすく、ペン機能と消しゴム機能の切り替えがスムーズにできた」という「メディアパッドM5プロ」を挙げた。

文字や図形の書きやすさを評価した、筆記具に詳しい納富廉邦氏も、「ペン先の動きに描画がついてこないとストレスになる。スピードはiPadプロが抜群」とiPadプロを高く評価。ただその一方で、「紙と鉛筆に近ければよいとは限らない。iPad系のアップルペンシルは長さや太さなどが鉛筆に『似過ぎて』いる」とも語る。

鉛筆は紙との摩擦で顔料を定着させる仕組みのため、ある程度細いほうが力が入って書きやすい。しかしデジタルペンは摩擦が少ないので、万年筆のように太めのほうが、実は余分な力が入らずさらさら書ける。その観点で、同氏が文字を書くのに最適と判断したのは「ヨガ ブックC930」(レノボ・ジャパン)。液晶と電子ペーパー(E─インク)の2画面でペンが使えるユニークな製品だ。

高評価だったのはモノクロのE─インク画面。納富氏は「追従性はiPadプロにやや劣るが、ペンの太さと摩擦のバランスが最高。液晶画面より目が疲れないのもよい」と高く評価した。ただ、E─インク画面では、レノボ・ジャパン独自のメモアプリなどしか使えないので、事前に機能を確認しておくべきだ。

今回のテストで振るわなかったのが、定番ウィンドウズタブレットの「サーフェスGo」(日本マイクロソフト)。「ウィンドウズのさまざまな操作がペンでできるのは便利だが、描画がやや遅くストレスがたまる」(納富氏)という。同社の大型タブレット「サーフェス プロ6」ならプロセッサー性能が高く、描画速度がある程度上がるので、サーフェスで手描きを重視する人は上位機種を第1候補にするとよい。

次ページから各機種の詳細を紹介する。なお、比較テストの詳細については記事末に掲載した。

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