一球入魂、ワクチンを寄付 プロ野球選手・和田毅さん私の貯金箱

私費で主催する少年野球大会を現役引退後も続けていきたい(キャンプ地がある宮崎市で)
私費で主催する少年野球大会を現役引退後も続けていきたい(キャンプ地がある宮崎市で)

お金についての哲学や家計の切り盛り法、資産運用などについて著名人に聞く新コラム「私の貯金箱」。第1回はプロ野球の投手として活躍する福岡ソフトバンクホークスの和田毅さん(38)だ。寄付など慈善活動に熱心なことでも知られる和田さんは、野球少年だった小学生のときから「大人になったら寄付をするのは当たり前だと思っていた」という。地元の島根県出雲市で私費で主催している少年野球大会を引退後も続けようと、資産運用にも励んでいる。

阪神大震災で「ドラえもん募金」

――1球投げるごとに世界の子どもたちにワクチンを10人分寄付するなど、多くの慈善活動をしていますね。

「公式戦1球10本、勝利投手なら1球20本など、慈善団体を通じたワクチンの寄付は長年続けている活動の一つです。ワクチンの寄付ができるということは、自分が投手として活躍している証しでもあります。寄付など慈善活動が特別なものだとは思っていません。『大人になったら稼いだお金の一部を寄付する』というのは幼い頃から当たり前のように考えていて、何がきっかけかもよくわかりません。小学校での募金活動では小銭を募金箱に入れ、もらった赤い羽根を名札に付けることで誇らしい気持ちになりました。誰かの役に立てることは『かっこいい』という気持ちだったのかもしれません」

「寄付の大切さを強く実感したのは阪神大震災です。凄惨な被災地の映像を見て、何かできることはないだろうかと考えました。しかし当時、中学生だった僕ができることはせいぜい、テレビ番組で呼びかけていた『ドラえもん募金』に応じることくらい。電話をかけると、1回10円の募金ができるというものです。親に守られている自分の存在の小ささを実感しました」

早稲田大学時代は「六大学のドクターK」と呼ばれた(神宮球場)

プロ初の報酬、思わず0を数えた

――どのような家庭で育ったのですか。

「うちは裕福でも、際だって貧しくもない、普通の家庭でした。放任主義で特にお金の使い方についてうるさく言われた記憶もありません。お小遣い制で、中学生になったら1カ月1000円、中学3年で1500円くらいだったと思います。高校は寮に入っていたので、小遣いは多少増えたと思いますが、使い道もないので困りませんでした。たまのぜいたくは、部活帰りの買い食いくらいでしょうか。大学に入ってからは一人暮らしで毎月ギリギリでした。アルバイトをする時間があるなら練習をしたかったので、仕送りだけで必死にやり繰りした記憶があります」

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