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弟のカミングアウトで決意 LGBT就職情報サイト起業

日経doors

2019/3/20

弟と一緒にLGBTのための就職情報サイトを立ち上げた星真梨子さん
日経doors

星真梨子さんは、大学院生時代の2016年に弟の星賢人さん(現・社長)とともに、性的少数者(LGBT)のための就職情報サイトを運営するJobRainbow(ジョブレインボー、東京・中央)を設立。最高執行責任者(COO)として同社を支えながら、LGBTや性的マイノリティーをはじめ、「さまざまな個性を受容して、誰もが生きやすい社会」を目指している。LGBT当事者だけではなく、すべての人が自分らしく生きられる社会を実現するために必要なことを聞いた。

■カミングアウトは信頼の証

「私には、高校生の頃に決めた人生の課題があるんです。それは『マイノリティーが受容される社会にして、日本をもっと良くしたい』ということ。父が弁護士なので、子供の頃から社会問題に関心が高く、差別の問題に敏感だったことも影響しているかもしれません」

「社会的弱者をサポートしたい」。そう考えていた星さんは、大学卒業後、法科大学院へ進みました。そのとき、仲の良かった弟から、ゲイ(男性同性愛者)であることをカミングアウトされます。そして、身近な知人からもトランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)であることを告白されました。

「弟や知人からカミングアウトされたとき、驚きよりも自分に打ち明けてくれたことが純粋にうれしかった。1人で悩み、抱えていたことを話してくれたのは『信頼の証』と思ったんです。『話してくれてありがとう』って、感謝の気持ちでいっぱいになりました」

周囲の大切な人からのカミングアウトをきっかけに、星さんはLGBT当事者が抱える大きな悩みを知ることに。あるトランスジェンダーの知人が就職活動で壁にぶつかったことを知ると、LGBTやマイノリティーの就職には、大きな課題があることに気付きました。

「マイノリティーの人に対し、社会にはまだまだ根強い『偏見』『差別』があると実感しました。トランスジェンダーの友人は、面接で『トランスジェンダーです』とカミングアウトすると、『うちの会社ではあなたみたいな人は受け入れられません』と言われたそうです。それが大きなトラウマとなり、結局、就職を諦めてしまいました。高校までは男性、大学からは女性として過ごしていた友人は、男女どちらのスーツを着たらいいのかが分からず、説明会は女性用のスーツ、面接では男性用のスーツと使い分けるなど悩んでいたそうです」

実際に、「就職活動で困った経験がある」という当事者はとても多く、非当事者が6%なのに対し、LGBT全体で40%、トランスジェンダーの方に限れば70%に上るそうです。

そんなとき、こうした社会の現状を変えたいと考えていた弟から「LGBTの就職を支援する企業を立ち上げたい」と相談を受けました。昔からすごく仲が良く、お互いを理解してきた星さんは、「彼ならこのビジネスを実現できる」と確信。星さん自身はLGBT当事者ではありませんが、非当事者の視点があるからこそ会社をけん引し、やがて世界のステージに乗せることができるかもしれないと考え、JobRainbowを共同創業しました。

■JobRainbowとは
「すべてのLGBTが自分らしく働ける職場に出会えること」を目指し、2016年1月に設立されたLGBTスタートアップ。LGBTしごと情報サイト「JobRainbow」、LGBT求人サイト「ichoose」、企業向けの研修・コンサルティングの3つを事業の柱としている。JobRainbowでは200社以上の企業のLGBTへの取り組みを口コミなども交えて一覧できる。LGBT向け福利厚生、LGBT研修あり、といった項目からLGBTフレンドリーな企業を検索できる。ichooseではエントリーシートにLGBT求職者が自由にセクシュアリティを記入できるほか、入社後の配慮項目を事前登録して、LGBT求職者と企業とのマッチングをサポートする。

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