貯蓄は手取りの1割を目標に 給与とは別口座で管理を新社会人 お金の常識(上)

幸子 そういう人は特に実家暮らしなら、毎月親に一定額を預けて強制的にためてもらうのも一案よ。これなら引き出したくても引き出せないものね。重要なのは、給与が振り込まれたら使う前にお金を別の場所に移す「先取り貯蓄」の仕組みを作ることね。

 積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)や個人型の確定拠出年金(イデコ)も活用できるわね。

幸子 20代前半から非課税制度を使って運用するのは立派な心がけだけど、まずは新生活や仕事に慣れ、毎月の支出割合を見極められるようになることが大切よ。家計コンサルタントの八ツ井慶子さんは「お金のため方や運用方法を考えるのは、自分のお金の使い方の傾向を知り、しっかり支出改善をしてから」と呼びかけているわ。無駄遣いばかりしている人がいくら先取り貯蓄の仕組みを取り入れても、生活費が足りなくなって口座を解約してしまったり、キャッシングをしたりしたら意味がないものね。お金の使い方やため方を見直すことを通じて、人生設計をしてほしいわ。

■1万円単位にこだわらず
ファイナンシャルプランナー 畠中雅子さん
積立貯蓄の金額を決める際、1万円単位で設定する人が少なくありません。1年目の給与はさほど多くないでしょうから、貯蓄額を月に1万円増やすのは容易ではありません。きりのよさにこだわる意味は全くありません。月2万円の貯蓄をしている人が翌月から3万円に増やすのは大変ですが、2万1千円なら生活に支障ないでしょう。それに慣れたら2万3千円、2万5千円、と増額していけばいいのです。
たった千円でも2万円で続けるより元金は5%増やせます。長期で見ればためられる金額は大きく変わるのです。ただ、お金をためることにこだわるあまり、過度に節約するのは避けましょう。食費を削ろうと粗末な食事を続ければ、健康を害するリスクが高まります。長く健康に働ける体作りは、将来の備えとして最も重要です。
(聞き手は岡田真知子)

[日本経済新聞夕刊2019年3月13日付]

近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし
近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし