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それでも親子

女優・須藤理彩さん 約束に厳しかった父の温かな目

2019/3/15

1976年横浜市出身。オーディション合格を機に活動をはじめ、NHK連続テレビ小説「天うらら」で初主演。ミュージシャンの故・川島道行さんとの間に2女。映画「まく子」が15日公開。

著名人が両親から学んだことや思い出などを語る「それでも親子」。今回は女優の須藤理彩さんだ。

――お父様はしつけに厳しかったそうですね。

「寡黙で昔気質の父でしたね。設計の仕事を家でしていたので常に目の届く範囲にいて、怖かったです。『約束したことは必ず守る』が家訓。幼稚園の頃、必ず後片付けすると約束してやっと買ってもらった自転車を出しっ放しにしていて、怒った父に壊されたこともあります。ただ『もう約束破りません』と泣きながら謝ると、翌日には同じ自転車を用意してくれるような一面もあったんですが」

――芸能界に入るのにも反対されたとか。

「父は厳しい半面、やりたいことは何でもやらせてくれました。『勉強しろ』とも言われず、私から成績表をみせることもなかった。ただこの世界に入る時は『3年で芽が出なければやめる』という条件付きでした。何とかNHK連続テレビ小説『天うらら』主演が決まった時も『うん、そうか』くらいでした」

「やっぱり反対しているのかなと複雑でした。でも母に聞くと『視聴率が低かったらあいつ使われなくなる』なんて言いながら、私の出演作はすべてみていたそうです。不器用ですけど、応援してくれているんだなと温かい気持ちになりました。父はもう亡くなりましたが、今でも自分が何か行動を起こす時には父だったらどう思うだろうかと考えます。私にとって物差しのような存在ですね」

――お母様は?

「母はエネルギッシュで社交的。買い物に出掛けると、次々と知り合いに会って話し込んでしまい、なかなか帰ってこないんですよ。世話を焼くのも好きで苦にならないみたい。近くに住む姉が結婚した時にも『私がフォローする』と言ってお弁当や夕食を届け続けています。私も甘えてばかりではいられないんですが、娘たちを育てるのに母なしでは成り立ちません」

――親孝行はしています?

「全然できていなくて。まだこれからです。親との距離って難しいですよね。私は早く離れたいという思いもあって、陸上部でインターハイに出場した高校時代には親に試合会場に来るなって言っていました。もっと素直に応援してもらって、力にすればよかった。親になってみて思います。私が娘たちに同じこと言われたら絶対許さないもの」

――子育てにもご両親の影響はありますか。

「『約束は守る』という父の教えは私の子育ての基本になっています。娘たちとはぶつかり合いながら一緒に成長している感じでしょうか。映画『まく子』で主人公の男の子の母親役を演じましたが、子どもの心にどこまで踏み込むか手探りする感覚は現実の娘たちとの関係と通じるところがあります。そんな私たち親子を母はあまり口出しせずに見守ってくれています。孫には甘いんですけどね」

[日本経済新聞夕刊2019年3月12日付]

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