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衝撃の言葉「お芝居をしなくていいです」(井上芳雄)

第40回

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NIKKEI STYLE

井上芳雄です。前回紹介した『十二番目の天使』の公演が3月16日から始まります。ふだんはミュージカルを演じている日比谷シアタークリエで、今回はセリフだけのストレートプレイに挑みます。ジャンルの境なくやれたらいいと思っている僕にとって、新しいチャレンジです。

オグ・マンディーノの世界的ベストセラー小説の初舞台化で、家族を亡くした男と秘密を抱えた少年の物語です。企画したのは、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館さん。演劇部門芸術監督をされている笹部博司さんがプロデューサーです。りゅーとぴあプロデュース公演の朗読劇『夜と霧』(2014年)や創作劇『星の王子さま』(17年)に出演したご縁で、お話しをいただきました。今回は東宝が製作に加わり、まずシアタークリエで上演して、その後、新潟をはじめ全国8カ所を回ることになります。企画が最初にあって、どういう形でやるのが一番いいかを話しあって今回の形になったのですが、その過程も僕にとっては新しい経験です。

僕は東宝ではほとんどミュージカルにしか出ていなので、シアタークリエでのストレートプレイは初めて。劇場のサイズとしては、小さなお芝居もお客さまに届くのでストレートプレイに適した大きさだと思います。すごく楽しみです。

カーテンコールで、僕をはじめキャストのみんながテーマソングを歌うのもストレートプレイとしては珍しいですね。『夜と霧』のときも歌ったので、笹部さんの好みみたいです。でも、本来はミュージカルとか音楽劇とか区切る必要はないので、そういう試みも面白いと思います。

『白いボール 青い空へ』という曲で、作曲は『夜と霧』以来のおつきあいの宮川彬良さん。作詞は安田佑子さんです。宮川さんらしいメロディーで、シンプルで、どこか懐かしく、心にしみこんできます。メロディーラインは劇中でもBGMとして何回も出てくるので、お客さまの耳にも残るのではないでしょうか。

プロデューサーの笹部さんは、演劇や戯曲の出版を手がける劇書房を立ち上げた方で、古今東西の戯曲をすごく読んでいます。たくさんお話を知っていて、いろんなアイデアをお持ちです。『夜と霧』も『星の王子さま』も涙が止まらなくなる話でしたが、そんな心の琴線に触れる物語の企画をたくさん提案していただいた中で、実現したのが今回の『十二番目の天使』です。

笹部さんと初めてご一緒した『夜と霧』の稽古で、すごく印象に残っている言葉があります。朗読の台本を一通り読み合わせした後、「井上さん、今回はまったくお芝居をしなくていいです」と言われたのです。驚いて「え? どういうことですか」と聞くと、「ふだん役を演じるときのような読み方もあると思うけど、今回はそういう演技はしなくてよいです。その瞬間の井上芳雄がどう感じたか、ということで読んでもらいたいんです」と。それで次に、こういう感じかなと読んでみたら、「それです」。

何も演じなかったとしても、自分のそのままでいい、というやり方があることがすてきだなと感じました。どんなお芝居にも通用するやり方ではないかもしれませんが、アプローチのひとつとして、そうできたらいい、と思っていたことだったので。『夜と霧』を朗読するときは、僕自身がそこに立ち返れるように感じますし、『星の王子さま』も今回の『十二番目の天使』も同じ思いを抱かせてくれます。

演劇を愛している人たちの思い

今回、僕が演じるジョンという役も、すごく演技をしているという意識ではなく、お客さまに「こういう人なんだ」と自然に感じてもらえればいい、と思ってやっています。

笹部さんの作品に共通して感じるのは、原作のエッセンスをそのまま舞台にのせていて、それで最後にびっくりするような世界を見せてくれること。『十二番目の天使』も、原作を抜粋して構成していますが、大きく変えたり、セリフを足したりしているわけではありません。だから原作の力を信じているのと、あとは役者がその場でうそなく演じてくれればいい、ということなのでしょう。

演出の鵜山仁さんはすごく懐が広くて、そういう笹部さん独自のスタンスや役者の気持ちやいろんなものを受け入れてくれて、今回の舞台ができあがったように思います。演劇を愛している人たちの思いが、いっぱい詰まっています。

井上芳雄
1979年7月6日生まれ。福岡県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。大学在学中の2000年に、ミュージカル『エリザベート』の皇太子ルドルフ役でデビュー。以降、ミュージカル、ストレートプレイの舞台を中心に活躍。CD制作、コンサートなどの音楽活動にも取り組む一方、テレビ、映画など映像にも活動の幅を広げている。著書に『ミュージカル俳優という仕事』(日経BP社)。

「井上芳雄 エンタメ通信」は毎月第1、第3土曜に掲載。第41回は4月6日(土)の予定です。

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