検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

折り畳みスマホの新感覚 カギは有機EL+ヒンジ

佐野正弘のモバイル最前線

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

2019年2月25日から28日までスペイン・バルセロナで開催された携帯電話の総合展示会「MWC2019バルセロナ」に合わせ、ディスプレーを直接折り曲げられる「折り畳みスマートフォン(スマホ)」が相次いで発表された。その魅力や使い勝手、普及への見通しを考えてみたい。

サムスンとファーウェイが折り畳みスマホを発表

一つは、米国時間の2月20日に韓国サムスン電子が発表した「Galaxy Fold」。本体の内側に7.3インチのディスプレーを備え、本体を開くと大画面のディスプレーが現れる。外側にも4.6インチのディスプレーを搭載しており、折り畳んでいる状態ではそちらを使って通常のスマホと同じ感覚で操作することも可能だ。

そしてもう1つは、スペイン時間の2月24日に発表された、中国華為技術(ファーウェイ)の「HUAWEI Mate X」だ。こちらはGalaxy Foldとは逆に、本体の外側に8インチのディスプレーを備えており、本体を開いた状態で一つの大きなディスプレーとして利用できるだけでなく、本体を「さば折り」するように折り畳むことで、前面6.6インチ、背面6.38インチの両画面スマホとして利用できる。

筆者は「MWC2019バルセロナ」で両機種を実際にチェックしてみた。残念ながらGalaxy Foldはガラスケース内での展示のみで触れることはできなかったが、HUAWEI Mate Xは短い時間ながらも、実際に触る機会を得た。

その上で感じたのは、意外とコンパクトで使いやすいということ。HUAWEI Mate Xの重量は295gとスマホとして見れば重いが、折り畳んだ状態の厚さは11ミリと、やや厚めのスマホといった程度のサイズ感であり、片手でも違和感なく操作できる印象だった。

何より、ディスプレーを自分の手で折り曲げられるというのはこれまでにない新しい体験だと感じた。折り畳みスマホの登場に多くの人が強い関心を寄せているのはよく理解できるところだ。

実現に貢献したのは「有機EL」と「ヒンジ」

閉じたときは通常サイズのスマホ、開いた時はタブレット並みの大画面ディスプレーを実現するという折り畳みスマホの発想自体は、以前からあるものだ。日本でも、NTTドコモが過去に「MEDIAS W」「M」など、2枚のディスプレーを用いて折り畳めるスマホを販売している。

だがこれらは二つのディスプレーを並べて一つのディスプレーとして使うため、2枚のディスプレーの間に継ぎ目が発生するという弱点があった。一方、Galaxy FoldやHUAWEI Mate Xは、1枚のディスプレーを直接折り曲げることで、真の折り畳みスマホを実現している。

では一体なぜ、これまで折り曲げられないというのが常識だったディスプレーを、折り曲げられるようになったのだろうか。各社の関係者に話を聞いたところ、その理由は「有機EL」と「ヒンジ」の2つにあるようだ。

サムスン電子とファーウェイの2種はいずれもディスプレー素材に液晶ではなく、最近テレビやスマホでの採用が増えている「有機EL」を用いている。有機ELは素材そのものが発光するため、液晶のように画面を光らせるためのバックライトが必要なく、曲げられることが大きな特徴の1つとなっているのだ。例えば、以前からスマホのディスプレーに有機ELを採用しているサムスン電子の「Galaxy」シリーズの多くは、その特性を生かして側面がカーブしたディスプレーを採用している。

だがディスプレーの強度を保ちながら、折り畳める機構を実現し、なおかつスマートなデザインにするのは容易ではない。例えば中国のベンチャー企業Royoleは2社に先駆けて折り畳みスマホを発表したものの、本体を閉じた状態でヒンジ部分に隙間が空いてしまうため、スマートさに欠ける印象を受けた。

スマートなデザインの折り畳みスマホを実現するには、隙間を発生させずに折り畳める、ヒンジの開発が非常に重要なポイントになってくる。ファーウェイはHUAWEI Mate Xのヒンジの開発に3年を費やしたという。

現時点では非常に高額、コンテンツ不足も弱み

スマホの未来像を見せた両社の折り畳みスマホだが、今後スマホが全て折り畳みスタイルになっていくのかというと、まだまだ時期尚早だ。

理由の一つは価格で、Galaxy Foldが1980ドル(約22万円)、HUAWEI Mate Xが2299ユーロ(約29万円)と、非常に高価だ。最先端の技術をふんだんに盛り込んだことがその理由だろうが、購入できる人はかなり限られてしまうだろう。

とはいえ、MWC2019バルセロナの展示からは折り畳みスマホの低価格化の道筋も見えつつある印象を受けた。というのも、中国のディスプレーメーカーであるチャイナスター(CSOT)など、折り畳み対応のディスプレーを提供するメーカーが増えつつあるからだ。今後メーカー同士の競争が進むことで、折り畳みスマホが手ごろな価格になることを期待したいところだ。

そしてもう1つの理由は、折り畳みディスプレーを生かすコンテンツやサービスの不足である。折り畳みスマホはいずれも正方形に近い画面比率なので、ウェブサイトや地図などを利用する上では非常に便利なのだが、横長の比率が多い映像コンテンツを再生すると、上下に黒い帯が目立ってしまう。

折り畳みスマホのディスプレーのポテンシャルを生かすには、その画面比率に合わせたコンテンツが求められることは確かだろう。端末価格だけでなく、サービスやコンテンツが充実することも、普及を占う上で重要なポイントになるといえそうだ。

佐野正弘
 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_