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セカオワ、アルバムなぜ2枚 ダークとポップの意味

日経エンタテインメント!

2019/3/21

2018年の大みそか、5年連続で出場した『紅白歌合戦』で同年開催された平昌オリンピック・パラリンピックのNHK放送テーマソング『サザンカ』を披露したセカオワこと、SEKAI NO OWARI。もはや国民的バンドとなった彼らが、約4年ぶりとなるオリジナルアルバム『Eye』と『Lip』を2作同時にリリースした。『Eye』はダーク、もう一方の『Lip』はポップな楽曲が並ぶ。彼らがこれまで示してきた音楽性をより研磨し、作品性を高めた挑戦的なアルバムだ。

右より、Nakajin(ギター&サウンドプロデューサー&リーダー)、Saori(ピアノ&ライブ総合演出)、Fukase(ボーカル&コンセプター)、DJ LOVE(DJ&サウンドセレクター)。2011年メジャーデビュー。「SEKAI NO OWARIツアー2019」は4月6日~8月25日、全国28公演が発表に(写真:佐賀章広)

この4年、バンドは前進し続けた。アルバム収録曲『ANTI-HERO』や『SOS』で、海外の著名クリエイターとコラボし、シングル曲でありながら全英詞を貫いた。一方、前述の『サザンカ』やアニメ映画『メアリと魔女の花』の主題歌『RAIN』。ドラマ『リーガルV ~元弁護士・小鳥遊翔子~』の主題歌『イルミネーション』など、大型タイアップを多数手掛けた。そんな彼らの最新アルバムには意欲的な取り組みが散りばめられている。

Fukase(以下、F) 僕は本当に、目も口も両方「語るもの」だと思ってて。唇から意外と本音が出てくることもあるし、もちろん「目は口ほどに物を言う」でもある。どっちが本音かは分からないけど、本当に伝えたいものってなんだろうってところから、この2枚はできあがっていったんです。

Saori(以下、S) 4年の間、シングルは結構リリースしていました。シングルばかりのアルバムにしたくないから、2枚作ろうかって話がFukase君からあったんだよね?

『Eye』トイズファクトリー/通常盤3000円、「INSOMNIA TRAIN」ライブDVD付き初回限定盤4000円/2月27日発売

F タイアップのお話をいただいて曲を書き下ろすことが多かったし、僕らのポップな楽曲を好きだと言ってくれる人もいます。でもそればかりだと、僕の中に「お利口さんマイル」がたまっちゃうというか。自分を1方向にしか見てない、自分が1方向にしか歌ってない感じがあった。そういう曲ばかりをライブで歌っていると、立ち居振る舞いもそうなってくるんですよ。本当の自分とステージ上の自分とのギャップみたいなものも感じた4年でした。雑誌のインタビューを受けたりテレビに出ていても、頭の中では(メディアに)載せられないようなことばっかりが浮かんできて、そういう思いがアルバム『Eye』に入ってる。

Nakajin(以下、N) 曲を『Eye』と『Lip』に分けるとき、「これはこっち」みたいな感覚はみんな等しく持ってました。

「弱いまんま強くなれ なぁKid」と大人目線で呼びかける、アルバム『Eye』の1曲目『LOVE SONG』。かたや、『Lip』1曲目の『YOKOHAMA blues』では、過ぎた恋の甘美な思い出や痛みを艶っぽく歌う。ファンタジックでどこかエイジレス、ジェンダーレスな匂いも感じられた歌詞の世界観から、リアルな肉体を持つ大人へと脱皮したように見える。

F 今作は、自分を歌う楽曲が少なくなったなって。自分のことでいっぱいいっぱいだった僕が、自分はもう守る側なんだという意識がしっかり生まれた。その点で『LOVE SONG』は、かつての自分を見ているような楽曲かなと。

S アルバムで最初に着手した曲でもあるんですが、アレンジも歌詞も何度も変わって最後にできました。新たに書き替えてくれていた歌詞はもっと比喩が多くて、伝えたいことが分かりにくかった。そんなにすかさなくていいよと、だいぶ長い時をかけてFukase君を説得しました(笑)。

F 僕は「こんな暑苦しい歌詞は嫌だ」って、どんどん熱量を減らしていったんだけど。Saoriちゃんが目指すものと僕の目指すものが違っていた。だから、僕はあんまり気に入ってない。

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