Men's Fashion

ファッションは立場を示す 装いの流儀間違えてはダメ

リーダーが語る 仕事の装い

ボルボ・カー・ジャパン社長 木村隆之氏(上)

2019.3.23

スウェーデンの高級車メーカー、ボルボ・カー。2018年には輸入車で初めて2年連続で日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど業績も好調な日本法人、ボルボ・カー・ジャパン(東京・港)の木村隆之社長はトヨタ自動車や日産自動車、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングにも勤めた経験を持つ。異色のキャリアで培った装いの流儀やファッション観について木村氏に聞いた。

――ボルボの社長に就任するまで、スーツとは長らく無縁の生活だったとか。

「大学を出て入社したのはトヨタでした。その後、ユニクロと日産に転職し、現在のボルボに至ります。ユニクロはアパレル企業で、社内のドレスコードはカジュアルが主体。日産ではインドネシアとタイの現地法人の社長だったので、ユニクロ時代の約2年と日産時代の約5年間はネクタイもほとんど締めたことがありません」

■新車お披露目のたびに新調

「インドネシア駐在時代は現地の伝統衣装『バティック』をよく着ていましたね。気候的なこともありますが、社長という立場上、年に数回、新車発表の記者会見に臨む必要があり、『やはりバティック姿がいい』と周囲からアドバイスされたのもきっかけです」

「現地の方々は一般に半袖でコットン素材のバティックを主に着ていますが、私は立場上、腕をさらすわけにもいかず長袖で、シルク素材のものをよく着てました。色味も現地の方々は茶系が主流ですが、私は肌の色に合わせてブルーや赤系のものを選ぶようにしてました。会見では同じものを何度も着るわけには、いかないので、会見がある度、新調してました」

ボルボ・カー・ジャパンの社長に就任するまで、長らくスーツとはご無沙汰だった

――日産時代には本社での会議出席のため来日する機会もあったのでは。

「その時はユニクロのスーツを着ていました。古巣なので何ですが、実にいい生地でできてるんですよ。『いいスーツをお召しですね』と周囲によく言われたものです。ボルボの社長就任の際のニュースリリース写真も、ユニクロスーツ姿で撮ったものです。引っ越しの度に断捨離し、当時、ほかにスーツが無かったものでして」