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債券投資、日本の女性にわかりやすく伝授 米ピムコ 金融機関の販売員に教育プログラム 専用サイトも

2019/3/14

スタフォード(左)とストールの両氏は「女性投資家を開拓するには男性とは異なるアプローチが大切」と話す

米国の資産運用大手、ピムコは日本でも女性投資家に対応した情報提供を強化する。金融機関の販売員らを対象とした勉強会を実施したり、女性と投資に関する内容の情報をインターネットで提供したりする。同社が得意とする債券の仕組みを分かりやすく伝え、投資信託を介した個人の運用の裾野を広げる。このほど来日したアジア・パシフィック統括責任者のキンバリー・スタフォード、グローバルマーケティング統括責任者のキャサリーン・ストール両氏に日本での戦略などを聞いた。

■女性の運用目的に合った債券

――女性の投資家の重要性を訴える理由は。

「女性には個人資産の51%を動かす力があるとの調査がある。にもかかわらず、女性の多くが現在の金融サービスは女性投資家のニーズを十分にくみ取れていないと感じる」

「女性は男性と運用の目的が明らかに異なる。ピムコが2018年、米国で1万ドル(約110万円)以上の金融資産を持つ約1500人に実施した調査によると、84%の女性が投資を『人生の選択肢を広げる有力な手段』と答えた。女性は子育てや介護など、家庭での役割が大きい傾向がある。お金はそれを実現するための手段だ。お金そのものをためることを目的としがちな男性とは違う」

――日本の女性投資家にのぞむことは。

「日本では金融資産の多くを預金が占めており、運用面では株式投資の文化が強いと感じる。私たちは日本の女性にインカム収入の大切さを訴えたい。高齢化で定年退職後、貯蓄を取り崩さざるを得ない期間が長くなる。自国偏重に陥らず、資産の多様化をすすめ、債券や株式で海外に分散投資すれば、安定的な配当収入を得やすい」

「特に提案したいのは債券だ。債券は配当や金利のように資産の保有により得られるインカム収入が魅力。(株式などの値上がり益重視でなく)人生を充実させることが運用の目的の女性にとって、有効な選択肢だ。日本で債券の運用や仕組みを分かりやすく伝えるため、金融機関向けのセミナーは定期的に開催。併せてサイトで債券に関する分かりやすい解説を充実させる」

「日本では働く女性が増えており、時間に余裕がない投資家も多いだろう。ただ、投資についてはリラックスしながら考えられる時間をつくってほしい。次に自分がどのような資産を形成したいか、目的を明確にする。そのうえで、信頼できる金融アドバイザーを見つけることが大切だ」

■女性と投資の情報を発信

――日本でどのような事業を展開するのか。

「日本の女性は明確な目標を持っており、プロの金融アドバイスを求めていることが、米国の調査で分かった。これに対し、金融業界は女性の嗜好を軽視する傾向がある。『デュレーション』など顧客に対して専門用語を使うことも多く、こうした状況を変えなくてはならない。すでに米国では教育コンテンツを提供し、分かりやすく投資を理解してもらえるよう努めている」

「日本では金融機関の販売員らを対象とした勉強会を実施している。3月上旬には日本でも『女性と投資』のウェブページを立ち上げた。さらに年内にも、日本の女性を対象に資産運用に関する調査を実施し、日本の女性の投資ニーズに合った教育プログラム、サイト構築を進めたい」

(聞き手は南毅)

■キンバリー・スタフォード
2000年にピムコに入社して以来、営業、人材開発など幅広い業務を担う。現在は香港を拠点にして、アジア太平洋地域の事業を統括。
■キャサリーン・ストール
独アリアンツなど金融機関のマーケティングを経て、2011年にピムコに入社。現在はマーケティング統括を担う傍ら、「女性と投資」の関連業務を手掛ける。

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