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エビ・カニ好きなら訪れたい専門店 東京・四谷三丁目

2019/3/18

「うぶか」の「松葉蟹 炊き込み」

「好きなことを仕事にしたい」と食の道を志す人はしばしばいるが、特定の食材への愛を貫き通している料理人はまれだろう。東京・四谷三丁目で甲殻類専門店「うぶか」を営む加藤邦彦さんもまさしくその一人。子どものころからの甲殻類好きが高じて、カニ料理専門店「かに道楽」で料理人としてのキャリアを歩み始めたほどである。

Summary
1.エビ・カニ好きなら必ず訪れたい甲殻類専門店「うぶか」
2.店主の甲殻類愛があふれる、バラエティー豊かなエビ・カニ料理
3.松葉ガニの身とカニ味噌をぜいたくに使用した「松葉蟹(ガニ) 炊き込み」

念願の店に入社するや、「やはり甲殻類はおいしい」と再確認。同時に、自分が店を出すなら、色々な種類のエビやカニのおいしさを客に知ってもらえるよう「丁寧にむいた甲殻類を、種類も調理法もさまざまに楽しんでもらえる店がいい」という強い思いが湧き上がった。

甲殻類を様々な調理法で楽しんでもらう

「35歳までに独立する」。そう心に決めて修業に励んでいたあるとき、「かに道楽」内の勉強会で加藤さんが考案した一品、ワカメのすり流しが料理長から高く評価された。

「ほめられたことがうれしくて、もっとステップアップしたくなり、料理長にその思いを伝えました」。すると、さっそく料理長が大阪の料亭紹介の話を持ち掛けてくれた。しかし、その頃は専門書を買いあさって読みふけるほど京料理に憧れていたため、快諾はできなかった。

そこで3日間の休みをもらい、「かに道楽」があった仙台から京都へ1人で向かった。予約していた店で味を確認しては、「ここで働かせてほしい」と直訴を繰り返した。

「どこも人手が足りていて、ほぼ全滅でした。でも、最後に入店した京料理のお店は違ったんです。女将さんの部屋に呼ばれて待っていたら、具も何も入っていない一番だしが出されたのですが、それが非常においしかった。素直に感想を伝えると、『じゃあ明日から来ていいよ』と返してくださったんです」。

1カ月後には京都に移り住んで修業を開始。京料理の世界では料理の神様と呼ばれる料理長のもとで3年半ほど研さんを積んだ後、今度は興味を抱いていた海外での経験を積むためニュージーランドに渡航した。

働き先として選んだ日本料理店には、今や日本の料理界の要ともいえる精鋭が集っていた時代。休日も、仲間たちと釣った魚を調理するなど愉快な日々を送り、その縁で帰国後は2年半の間、中国料理店「レンゲ」で腕を振るうこととなった。

ようやく独立することになったのは2012年5月のこと。当時は、「甲殻類専門店」という極端なコンセプトに反対の声もあったが、これまでの思いをどうしても貫きたく、「初(うぶ)な香り」の意味を持つ「うぶか」の看板を上げた。

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