「私は1人のときは何もやる気が起きなくて、卵かけご飯で済ませちゃったりすることもあるんです。でも誰かが食べてくれると思うと、がんばれる。葵が料理をがんばって作っていたのもそういう気持ちだったのかなと思いますね」

イヤリングにバルミューダ、役から自分に戻してくれるモノ

『L・DK~』で葵は、同居する男子たちの胃袋を手料理でがっちりつかむ。上白石さんは、同居する妹・上白石萌歌さん(女優)に料理を作ることはあるのだろうか。

「妹の胃袋は、けっこうつかんでます(笑)。私は男飯に近い、ザッザッザッっていためる系の料理が好きなんですけど、なかでも得意なのは豚キムチ丼。翌日に相手役のかたと至近距離のお芝居がない時に『お姉ちゃん!』って頼まれて、よく作りますね。とても簡単なんですよ、豚キムチ丼。逆に手の込んだ料理ほど、妹の反応がない。寂しい矛盾を抱えています(笑)。

私は外出先で『いいな』と思ったモノをよく妹に買って帰ります。このあいだ、アンティーク展で妹好みのキーホルダーを見つけたので、プレゼントしたらすごく喜んでいて。妹はセンスがいいので、安易なモノはあげられない。いつも悩んで、相当こだわって買いますね。逆に自分のモノにはまったくこだわりがなくて、自分のために何かを買うこと自体、本当にたまにって感じです。

自分のために最近買ったものですか? イヤリングです……。女を上げたいと(笑)。最近私は社会人の役をいただくことが多くて、今は警察官役をやらせていただいていて(テレビ東京『記憶捜査~新宿東署事件ファイル~』)。その衣装が地味めなスーツで、自分が女子であることを忘れてしまいがちなんです。だから休みの日くらいは耳にプラプラさせないと、と思って付けてます」

役と自分のバランスを、モノで取るところがあるという。

「妹によく言われるんです。『話してる時はあまり感じないけど、ふっと意識が飛んだ時に普段のお姉ちゃんじゃない。作品ごとに違う顔してる』と。私自身は自覚はないんですけどね。でも、そうやって役を持ち帰っちゃうので、自分との均衡をはかるためにも、最近、自分の好きなものを回りに置きたいと思い始めています。

そうして最近買ったのが、バルミューダのトースター。『L・DK~』をきっかけに朝ご飯の大事さに気付いて、ネットでポチッと(笑)。私、お店でも『ほかのお店も見て、あとで買おう』と思うと、絶対に買わないんです。だから『はい、欲しいと思った!ポチッ!』と急いで頼みました(笑)。使ってみると最高で、どこの店で買ったパンでもおいしく焼ける。朝から豊かな気持ちになれるので、みんなに薦めたいです。

今、欲しいのは、低温調理器。肉を突っ込んでじっくり調理するのにいいと聞くんですけど……絶対、使わない気もするんですけどね(笑)」

「妹に買ってあげたキーホルダーは、70年代くらいのフランスのもの。淡いピンクの中で女の子がクッと笑っている、ゆる~いもの。妹が好きそうだと思ったら、すごく喜んでました」
上白石萌音
 1998年生まれ、鹿児島県出身。2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞。14年の初主演映画『舞妓はレディ』で日本アカデミー賞新人俳優賞など多くの賞を獲得。16年にはアニメ映画『君の名は。』のヒロイン・宮水三葉の声を演じ話題になった。18年は映画『ちはやふる-結び-』『羊と鋼の森』のほか、舞台、ミュージカルなど幅広く活躍。19年は1月期のドラマ『記憶捜査~新宿東署事件ファイル~』に出演。2月22日公開のジェームズ・キャメロン製作映画『アリータ:バトル・エンジェル』では主人公・アリータの吹替を演じた。

『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』

(C)「2019 L・DK」製作委員会

高校3年生の西森葵は、ひょんなことから学校一のイケメン・久我山柊聖と出会い、ひとつ屋根の下、幸せな同居生活を送っていた。そこに突然、柊聖のいとこ・久我山玲苑がやってくる。憧れの柊聖が葵と付き合っていることを理解できない玲苑は、2人を引き離そうと同居生活に分け入るが……。監督・川村泰祐 原作・渡辺あゆ(『L・DK』講談社『別冊フレンド』刊) 脚本・江頭美智留 出演・上白石萌音、杉野遥亮、横浜流星、高月彩良、堀家一希、町田啓太 2019年3月21日(木・祝)全国ロードショー

※『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』と「2019 L・DK」の・はハートマーク

(文 泊貴洋、写真 藤本和史)

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