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私の貯金箱

借金返済、楽しかった 「ココイチ」創業者・宗次さん 私の貯金箱

2019/4/14

――幼少期の経験をどう事業に生かしたのですか。

「店でも『笑顔で接客』の姿勢を最も大切にしていました。値引き販売をしたことはありません。名古屋の喫茶店のモーニングは、一般にトーストや卵、ピーナツなどいろんなものを無料で提供しますが、われわれは有料にしました。値引きでお客を誘うようなことはせず、『笑顔の接客』で利益を出したかったのです」

■音楽ホール、助け合いの精神広めたい

――経営から離れた後は、音楽ホールを立ち上げました。

「高校1年生のとき、友達からテープレコーダーを5000円で買いました。精米店や豆腐工場の店でアルバイトをして払った記憶があります。レコーダーでテレビのNHK交響楽団の演奏を録音し、『音楽はいいな。人の心を穏やかにしてくれる』と実感しました。音楽ホールは引退前にためたお金で、社会貢献の一環として始めたのです。愛知県の小中高校の吹奏楽部に、多くの楽器を寄付しています」

余裕のある人が余裕のない人に手を差し伸べる。助け合いの精神を広めたい

「コンサートホールの運営は難しく、やればやるほど赤字が拡大します。ただ、これはあくまで地域貢献。余裕のある人が余裕のない人(音楽家など)に手を差し伸べる、という助け合いの精神が広がればと考えています」

■優待品はほとんど人にあげる

――資産運用はしていますか。

「引退後、株主優待銘柄への投資を始めました。吉野家ホールディングスやくらコーポレーションなど、外食の約10銘柄です。基本的に1000株ずつ取得しています。優待品は自分ではほとんど使わず、人に差し上げています。そのための投資ともいえます。外食チェーンの株価は基本的に堅調です。長期投資の姿勢で、日々の株価はあまり意識していません。あと、数十万円分のウィーン金貨を持っています」

自分のためのぜいたくはむなしい。人はおしゃれより中身が大切だ

――お金をたくさん持っていると、自分のために使いたくなりませんか。

「自分のためのぜいたくはむなしいと思います。いま着ているワイシャツは980円、シワが気になる背広は1万9900円、靴は3980円です。時計は7800円のものを数年間、使っています。私は安物が好き。人はおしゃれに多くのお金を使うより、より中身が大切だと思っています。自分一人で飲み屋さんに行くこともありません」

――今後はどのようにお金と付き合っていきますか。

「私個人のお金は、死ぬまでにすべてを寄付に充てたいと思います。音楽関係の学生やプロゴルファー、弁護士、会計士……。夢に向かって一生懸命の人の多くは、お金に困っています。寄付すると、多くの人が感謝してくれたり、活動の報告をしてくれたりします。私は資産を持つゆとりのある人に対し、資産の1%を福祉活動や芸術・スポーツ活動に充てるよう提案しています。助け合いの輪をもっと広げていきたいですね」

(聞き手は南毅)

宗次徳二
1948(昭和23)年、石川県生まれ、67年愛知県立小牧高校卒。不動産業を経て、74年、喫茶店を開業。78年に「カレーハウスCoCo壱番屋」を創業。98年に会長、2002年に創業者特別顧問に退いた。07年、総額28億円を投じ、「宗次ホール」を名古屋市に設立した。NPOイエロー・エンジェル理事長。
2019日経マネー アンケート調査

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