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「生きた化石」カブトガニ 実はクモの仲間だった

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NIKKEI STYLE

ナショナルジオグラフィック日本版

「生きた化石」として知られるカブトガニは、実はクモと同じ仲間であることが、新たな研究で示唆された。これまでもクモに近い種であると言われていたが、2019年2月14日付けで学術誌「Systematic Biology」に発表された論文によると、カブトガニはクモやサソリ、ダニなどと同じクモ綱(クモガタ綱とも)に属するという。この研究では、カブトガニ類とクモ綱の生物について膨大な遺伝子解析を行い、その結果をもとに最も妥当と思われる系統樹を作り上げた。

「系統樹を描くとき、これらのグループを分類するのは常にやっかいな問題でした」と研究リーダーを務めた米ウィスコンシン大学マディソン校のヘスース・バイェステロス氏は話す。「しかし、今回の分析で何よりも驚いたのは、どのようにデータを処理しても、一貫して同じ結果が得られたことです。つまりカブトガニは、系統樹において常にクモ綱の中に分類されたのです」

これまで考えられてきた道筋

カブトガニ類もクモ綱も、さらに上位の大きな分類である「鋏角(きょうかく)亜門」に属していることは、以前から分かっていた。しかし、厳密な意味でどれほど近い関係なのかは謎だった。

カブトガニ類は、血液が青く、穴を掘る習性がある。最古の化石は4億5000万年前のものだ。ちょうどその頃、クモ綱の動物も出現し始める。

これまでカブトガニの出現は、次のように考えられてきた。まず、クモ綱の動物とカブトガニは、ある種の水生鋏角類と思われる共通祖先から枝分かれした。片方の系統はすぐに陸に上がり、10万種にも多様化し、今日のクモ綱になった。

もう片方の系統であるカブトガニ類は、海にとどまり、いくつもの大量絶滅期をほとんど姿を変えずに生き残った。今日まで生き延びたカブトガニは、わずかに4種。体長30センチを超えるものもある。これが従来の説だった。

「カブトガニ類の問題は、現生種が4種しかいないことです」と、鋏角亜門の進化を研究するスウェーデン、イェーテボリ大学のマティアス・オプスト氏は話す。「つまり、グループ内の多様性がとても低いということです。多様性があれば、系統樹の中での位置付けを安定的にできるのですが」

実は同じクモ綱

近年、これまでの説に異を唱えるような研究結果が、バイェステロス氏や他の研究者たちから出されている。遺伝子配列を解析した結果、クモ綱に「近い」系統としてカブトガニが存在するのではなく、カブトガニはクモ綱に「属する」と示唆されたのだ。

今回の研究では、53種のクモ綱、カブトガニ、ウミグモ綱(その名にもかかわらず、実はクモではなく、鋏角亜門内の別系統)のほか、甲殻類、昆虫の遺伝子配列を解析し、その結果をうまく説明できる系統樹を複数作って検討、この結論に達した。

検討した系統樹の多く(およそ3分の2)では、カブトガニ類をクモ綱内のクツコムシ目に最も近縁なグループだと位置付けている。

しかし、スペイン、バルセロナにあるゲノム制御センターでクモ綱の進化を研究するロサ・フェルナンデス氏は、まだ不確定要素が残っていると指摘する。例えば、残りの3分の1の系統樹では、カブトガニをクモ綱の外に分類している。

「今回の論文は、素晴らしい研究です」と同氏は話す。「しかし将来、別の方法で解析したときに異なる結果が出たとしても、私は驚かないでしょう」

陸からか、海からか?

もし今回の結果が正しければ、クモ綱の進化の過程を説明するストーリーに修正を加える必要がある。つまり、他の種がすべて陸生なのに、カブトガニ類という小さな1系統だけが海生である理由を説明しなければならない。カブトガニ類は、陸生のクモ綱から枝分かれして海に戻ったのか? それとも、クモ綱の動物は複数回にわたって陸に進出したのだろうか?

「これまで私たち、少なくとも私自身は、カブトガニ類はすべての節足動物の祖先とされる三葉虫のような海生生物から進化したと考えていました」とオプスト氏は話す。節足動物とは、クモ綱などに加え、昆虫や甲殻類を含む生物群だ。「しかし今回の結果を踏まえると、カブトガニの祖先は陸に生息していて、かなり小型だったと考えられます」

なかなか説明しづらい結果だと同氏は言う。しかし、最終的にどのような進化のストーリーに落ち着くのだとしても、カブトガニが奇妙であることに変わりはない。

(文 NADIA DRAKE、訳 牧野建志、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2019年3月1日付]

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