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ディスコの関家一馬社長

ディスコの関家一馬社長

半導体ウエハーの切断や研磨装置で高いシェアを維持し続けるディスコ。2009年に就任した関家一馬社長(53)は社員の自主性を引き出すため、ユニークな制度を次々に取り入れている。「経営はサイエンス」と語る理系リーダーが見いだした新しい組織の形とは。(前回の記事は「ディスコ社長は家康流 いい数字より『強い会社』に 」)

ママ社員も安心の個人別採算制度

――日々の仕事の費用や報酬を「ウィル(Will)」という単位でやり取りする独特の制度があります。どんな仕組みですか。

「社員が個人商店の店主になるイメージです。例えば、ある業務を完了すると5万ウィルもらえたり、誰かに仕事を依頼すると、その人に3万ウィルを払ったり。ウィルの収支は賞与にも一部連動します」

「もともと部門別管理会計として導入していたのですが、誰も結果を気にしなかったんです。部門の費用や収入がいくらになろうが、個人の報酬には影響しなかったからです。これでは管理会計の意味がないと思い、部門の業務を個人単位に細分化し、賞与と連動させました。管理会計をもっと気にしてもらうためというのが発端です」

――現場の反応はどうでしたか。

「いきなり全社で始めるのは無理なので、まず開発の一部門で始めました。午後4時に帰らないといけないママ社員がいて、仕事が時間内に終わらないと同僚にあすまでのリポートをお願いすることがありました。かつては翌日、同僚が終電で帰ったことを知るといたたまれない気持ちになっていた。頼まれる方も1回だったらいいけど、3回、4回となるとちょっと嫌な顔をしてしまうといったことがありました」

「ウィルを導入すると、ママ社員はあすまでのリポートを10万ウィルでどう?って頼むことができます。同僚が5万ウィルくらいが相場じゃないですかと返すと、いいからもらっといてという会話になったりする。受ける方は自分で納得しているので、終電になっても文句は出ないし、ママ社員も本人が納得しているなら次も頼みやすい。お互い、ストレスがすごく減ったといいます」

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