映画『コードギアス』最新作 現代アニメの要素を結集
世界の3分の1を支配する超大国に、特殊能力を持つ少年ルルーシュが戦いを挑む姿を描き、大反響を巻き起こした2006年放送のテレビアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』。テレビシリーズを再構築して17~18年に公開した劇場総集編3部作の続編が完全新作映画『コードギアス 復活のルルーシュ』だ。
『コードギアス』シリーズはテレビ2期『R2』、OVA、ゲーム、マンガと拡大してきた。08年の『R2』放送終了から10年を超え、なぜ再び作品は動き出したのか。監督の谷口悟朗は、「これからの10年のため」と話す。
「テレビシリーズが終わった後も様々な形で展開し、生き残ってきました。次の10年をどうするのかを考えたときに、ルルーシュという人物が出した答えを見せておくべきだと思ったんです」
「R2」の最終回で世界の平和のためにルルーシュが選んだ一つの結末。「その先の世界がどうなったのかまでをやらないと、あまりに無責任」と谷口監督は言う。
「例えば『ガンダム』シリーズは、1作目と2作目の『Z』で世界観を確立させ、その延長線上で今も作品が作り続けられています。『コードギアス』も点と点を作ってつなげ、これから先のNEXTをより強固なものにするために続編となる映画を作ろうと」
「テレビシリーズは完結していますし、新たな視点で劇場総集編3部作として物語を作り直し、テレビシリーズではなく劇場版の続きとしてこの映画を作りました」
映画は、ルルーシュが表舞台から去った世界が舞台。平和を謳歌していた世界が、ルルーシュの妹ナナリーと、ナナリーを支える仮面の男「ゼロ」となった枢木スザクの誘拐によって、再び情勢は不安定になる。
「ルルーシュによって世界がどう変化したのか、また各登場人物が何を選び、どう分かれていったのかを描いています」
脚本の大河内一楼とは「ファンムービーにするかどうかを話し合った」という。「10年続いたのはスタッフの力もそうですが、やっぱりファンがいてこそ。大ヒットしている『ファンタスティック・ビースト』や『名探偵コナン』の映画のようなイメージと言えば分かりやすいでしょうか」
そして、現代のアニメに求められるものが本作には全て入っていると言う。「メカ、美少女、キャラものなどアニメを構成する基礎的な要素が全てあります。知らない人もアニメの一つの形として見てもらいたい」
最後にこれぞ『コードギアス』というシーンを聞いた。「スタッフロールの後のシーンです。こうでなければならないという考えで入れているので、最後まで目を離さないでください」
(日経エンタテインメント!3月号の記事を再構成 文/山内涼子)
[日経MJ2019年3月8日付]
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