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食の達人コラム

塩麹、使う塩で味がガラッと変化 手作りで違い楽しむ 魅惑のソルトワールド(27)

2019/3/15

塩麹は意外と簡単に作ることができる

あまり料理をしない人でも、「塩麹(こうじ)」と聞いたらほとんどの人が知っているのではないだろうか。それほど2011年の塩麹ブームは大きなものだった。かつて日本の家庭では当たり前に使われていた塩麹。その後、あまり見かけなくなったが、ブームをきっかけに復活を果たして、現在もしっかりと家庭に定着している。

そもそも塩麹とは何か。米麹に塩と水を混ぜて、数日に1度かき混ぜながら、常温で7日~10日ほど寝かせるだけで出来上がる。ブレンドの黄金比率は「米麹(生)3:塩1:水4」だそうだ。

そのルーツは東北や北陸などの「三五八漬け」にあると言われている。コメや麹を混ぜて作った漬け床に野菜などを漬けこんだもので、野菜が少なくなる冬の保存食であったという。その漬け床が調味料として調理過程に使われるようになったのが「塩麹」と言うわけだ。

塩麹は大ブームを経て復活・定着した

塩麹ブームのきっかけとなったのが、大分県佐伯市で代々麹店を営んできた糀屋本店だ。当時の社長・浅利妙峰氏は、時代の流れとともに麹の需要が減り経営状態が厳しくなっていく中、麹を使った味噌やしょうゆ以外の商品開発を模索していた。そんな時に、江戸時代に記された「本朝食鑑」の中に「塩麹」の記載を見つけたという。ピンときた浅利氏は、その後試行錯誤を経て米麹と塩と水の黄金比率を見つけ出して商品化。ワークショップなどを通じて、じわりじわりと広がりメディアからも注目されるようになった。

しかしそれだけでは大ブームは起きない。大ブームとなった要因は大きく2つあると推測する。1つは塩麹の原材料は米麹・塩・水だけと非常にシンプルな上に、時々かき混ぜながら寝かせるだけ、という家庭で気を張らずにできる簡単さだ。2つ目は浅利氏が試行錯誤の上に編み出した塩麹を作るための黄金比率や、開発したレシピを惜しげもなく公開したことだろう。結果、ほかの麹店からも塩麹の原料となる米麹が多数発売され、さらに大手味噌メーカーなど調味料メーカーからも塩麹が発売されるようになった。

これで消費者が簡単に原料の米麹や塩麹そのものを手に入れられるようになった。発案者がアイデアを独り占めせず、シェアすることで大ブームとなる。熊本県のゆるキャラ・くまもんが人気者になったのと似た過程と私は見ている。

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