NIKKEIプラス1

7位 メーカー主導の価格体系が崩れ、製品価格が急激に下落する様子
平成6年(1994) 正答率53.7%

(1)市場崩壊 (2)スーパーデフレ (3)価格破壊

=共同

バブル崩壊後、大手スーパーのダイエーが主導した。流通の効率化などにより小売価格を下げ、「激安商品」が店頭に並んだ。60代女性の正答率は90%に達した。ダイエーの中内功会長兼社長(当時)は「破壊ではなく正常化」と表現。その後のオープン価格導入にもつながったとされる。

一連の動きはバブル期の異常価格を是正するなど消費者にメリットがあったと評価する声もある。一方で日本経済の成長にマイナスに働き、雇用を奪ったと否定的な見方もある。

答えは(3)

8位 現在の辛抱が将来の利益になるという故事。当時の首相が好んで使った
平成13年(2001) 正答率56.7%

(1)米万俵 (2)米千俵 (3)米百俵

「聖域なき改革」「恐れず怯(ひる)まず捉(とら)われず」――。小泉純一郎首相が誕生した01年の新語・流行語大賞には、多くの「小泉語録」が選ばれた。所信表明演説で取り上げた「米百俵」もその一つ。戊辰戦争で敗れた長岡藩が、見舞いとして受け取った米を売って学校の建設費に充てた故事にちなむ。「今の痛みに耐えて明日を良くしよう」などと訴えた。

表彰式には首相自ら出席、造語の秘訣を「率直に感じたことを言うことじゃないですか。つけ焼き刃でないよ」と語った。

答えは(3)

9位 栄養ドリンクのCMで使われた、猛烈に働く会社員のキャッチフレーズ
平成元年(1989) 正答率59.8%

(1)5時から男 (2)24時間タタカエマスカ (3)Oh!モーレツ

三共(当時)の栄養ドリンク「リゲイン」のCMは、サラリーマンが世界を舞台に働くストーリー。CMソングもヒットし一世を風靡した。長時間労働が当たり前とされた時代の象徴だ。14年にサントリー食品インターナショナルが第一三共ヘルスケアと組んで発売したリゲインブランドの炭酸飲料のCMでは「24時間戦うのはしんどい」との歌詞が流れ、「3、4時間戦えますか」のキャッチコピーが躍る。

選択肢の一つ「5時から男」は88年の受賞作。同じ栄養ドリンクのCMだが、こちらは午後5時の終業後に元気になる姿を軽いノリで描いた。

答えは(2)

10位 改革に反対する議員らを批判するため、当時の首相が好んで使った
平成13年(2001) 正答率63.0%

(1)抵抗勢力 (2)守旧派 (3)バカの壁

01年発足の小泉内閣が推進した、郵政民営化などに代表される「聖域なき改革」に反対した勢力を指す。族議員といわれた政治家だけでなく、関係省庁の役人でも反対すればこう呼ばれた。対決色をあおり世間の関心を集める手法は「劇場型政治」とも称された。

正答率は昭和生まれは79.8%と高かったが、平成生まれは46.2%まで低下。20代女子では48.2%が「バカの壁」と回答した。


答えは(1)

11位 TVドラマの主人公の名で、過度なマザコン男のこと
平成4年(1992) 正答率64.9%

(1)春彦さん (2)マスオさん (3)冬彦さん

TBS系列のテレビドラマ「ずっとあなたが好きだった」の役名で、佐野史郎さんが演じた。母への過度のマザコンぶりに、妻がおびえるシーンが繰り返された。当初佐野さんは脇役で、妻と元恋人とのラブストーリーを中心に描く予定だったが、佐野さんの演技が話題となり主役級の扱いになったという。

答えは(3)

12位 10代など若くして母親になった女性
平成6年(1994) 正答率68.8%

(1)ギャルママ (2)やまんばギャル (3)ヤンママ

茶髪に派手なファッションの若い母親の集団を、雑誌編集者が「ヤンママクラブ」と名付けたのがきっかけ。ヤングとヤンキー、両方の意味が込められている。同年にはヤンママを主人公にしたTVドラマも放映された。ギャルママとの回答も27.2%あった。

答えは(3)

13位 「最悪」の意味で使われた、女子高生中心に広がった感嘆詞
平成8年(1996) 正答率71.6%

(1)激ヤバ (2)ベリヤバ (3)チョベリバ

90年代後半に広まった若者言葉。「超ベリーバッド」の略。96年に高視聴率となったTVドラマの主人公が使ったことで広く知られるようになった。対義語に「チョベリグ(超ベリーグッド)」もある。当時の女子中高生世代の正答率は9割前後だった。


答えは(3)

14位 おじさんのような言動をする若い女性のこと
平成2年(1990) 正答率72.5%

(1)おっさん女子 (2)おじガール (3)オヤジギャル

屋台やガード下で飲んだり、競馬などのギャンブルに興じたり。「オヤジ」の代名詞のような言動をとる若い女性の生態を、漫画家の中尊寺ゆつこさんが描いた。バブル期の華美な外見とのギャップも話題に。10年代には「おっさん女子」の呼称も生まれた。

答えは(3)

15位 ベンチャー企業社長が多用した。何が起きても動じない姿が話題に
平成17年(2005) 正答率77.2%

(1)間違いない (2)想定内 (3)モーマンタイ

ライブドア社長だった堀江貴文さんがニッポン放送株の買収に乗り出し、フジサンケイグループとの間で激しい攻防戦を繰り広げた。フジ側の対抗策に堀江さんが「想定の範囲内」と強気で応じる姿が連日メディアをにぎわした。60代男性の正答率は100%。

答えは(2)

SNSで細分化 流行語できにくく 金田一秀穂・杏林大教授の話

「平成世代の正答率が全般に低いのが興味深い。リアルタイムで触れた言葉が少ないのもあるが、言葉自体に関心が薄いのではないか。昭和世代は教養主義が強く、自分が使わない言葉でも知ることに価値を見いだす。平成世代は生活に困らなければ知る必要がないと考える傾向が強い。ただ、身近な人の言葉しか信じないのは、不特定多数の言葉に流されない側面もある」

「以前はマスメディアを通じて流行語が生まれていたが、今はSNSの普及で興味や関心が細分化されている。ヒット曲が生まれにくいのと同じで、誰もが知る流行語は生まれにくい。“#”のキーワードが特定の集団で深く使われても、大衆文化的な広がりは生まれない」

◇  ◇  ◇

ランキングの見方 問題と選択肢。数字は正答率。1、3、4、7位の写真は共同通信。グラフィックスは藤沢愛

調査の方法 平成時代に「現代用語の基礎知識 選『ユーキャン新語・流行語大賞』」を受賞した言葉を35抽出。その言葉を答えに含む3択問題を35問作り、ネット調査会社のマイボイスコム(東京・千代田)を通じて昭和生まれと平成生まれ500人ずつ(男女同数)に解いてもらい、正答率の低い順にランキングにした。問題作成にあたり、金田一教授に監修してもらった。有効回答数は1000。

[NIKKEIプラス1 2019年3月9日付]

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