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冨永愛・杏・福島リラ… スーパーモデル発掘の極意  ボン イマージュの馬淵哲矢社長 編集委員 小林明

2019/3/15

自前の制服にルーズソックス姿で撮影された高校時代の冨永愛さんの写真(日本版「ヴォーグ」)。ブレークするきっかけになった。

――日本版「ヴォーグ」に載った制服にルーズソックスの写真は衝撃的でしたね。

「あれは写真家レイモンド・メイヤーが撮影した写真です。自前の制服姿でスタジオにふらりと現れた冨永さんを『そのまま撮影しよう』とノーメークのままで撮りました。その写真が評判になり、すぐにニューヨークでデビュー。ラルフローレンなど人気ブランドのショーに相次いで出演が決まるなど大ブレーク。ミラノ、パリでも活躍し、スーパーモデルとして世界に羽ばたきます」

■ドール・フェイスの杏、合格の連鎖反応を生かす

――海外で活躍した日本人モデルといえば、60年代の松田和子さんや松本弘子さん、70年代の山口小夜子さんらがいましたが、それ以降は空白期が続いていた。待望の新人の登場ですね。

所属タレントの顔写真の前で(ボン イマージュ本社)

「海外で頼れるのは自分だけ。移動も宿泊も、オーディションを受けるのもすべて一人。言葉や生活習慣、人種差別の壁もあったので、慣れるまでは随分と大変だったと思います。でも冨永さんは持ち前の物おじしない性格や負けん気で頑張った。語学力もウオーキングやポージングの技術も自分の努力と工夫で身に付けました」

――続いて、モデルや女優として活躍する杏さんも世界に送り出します。

「ちょうど世界の潮流がスーパーモデルからドール・フェイスに移行しつつある時期でした。ドール・フェイスとは、目が大きくて人形のようにカワイイ顔のモデルのこと。杏さんはそれにマッチしていたので『必ず売れる』という確信があった。2005年のニューヨーク・コレクションでデビューすると、すぐに次々と有名ブランドに合格し始めた」

トップモデルのほか、ハリウッド女優としても活躍する福島リラさん

「最初に合格したのがアナスイ。それを機に有名写真家スティーヴン・マイゼルの撮影が決まり、『この子はいい』という噂が業界に伝わる。ダナ・キャラン、マイケル・コース、マーク・ジェイコブス……。さらにルイ・ヴィトンなどパリのブランドにも連鎖反応のように流れが広がってゆく。業界最高峰のネットワークにいったん乗ってしまえば、一気に浮上できるわけです。福島リラさんも松岡モナさんも、同じように活躍するきっかけをつかみました」

■努力は成功の前提、努力で変わらない天性が決め手

――売れるモデルは一目で分かるものですか。

「明らかに光るものがあります。ケイト・モスやミランダ・カーも一緒に仕事しましたが、やはり魅力的だった。でも残念ながら、予想が外れることもある。これは本人が持っている運や才能の問題が大きいですね。タイミングの取り方の悪さだとか、自分の売り込み方が下手だとか……」

「たとえばショーのフィナーレでモデル全員が並ぶ場面。そこでいつまでも人の陰に隠れていたら、自分が埋もれてしまい、なかなか目立てない。かといって『私が、私が』と前に出過ぎると、逆に鼻について、回りからは確実に嫌われる。そのさじ加減が難しい。やはり人から好かれることは重要な要素です。成功している人はその辺りがスマートですね」

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