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日本のがん患者なぜ減らない 米国は減少、検診に差

2019/3/12

日本でもがんへの様々な取り組みが進んでいるが…(東京都中央区の国立がん研究センター中央病院)

厚生労働省は1月、2016年に99万人が新たにがんの診断を受けたと発表しました。がんになる人は増え続け、日本人は生涯に2人に1人がかかる計算です。一方、米国では新たにがんになる人が減少に転じています。日米でどうして違いが生じているのでしょうか。

世界保健機関(WHO)のデータで基準をそろえて比較すると、10万人あたりの新規患者数は、日本は10年に266人と00年に比べて15%増えました。一方、米国は303人と同7%減っています。がんにかかる割合は日本の方が低いとはいえ、推移をみると日米で逆の動きをたどっているのです。

がんにかかる部位のデータを見ると、日米の違いを生む要因が浮かんできます。たとえば肺がんにかかる男性の割合は、米国では00年比で21%減った一方、日本は6%増えました。国立がん研究センターの松田智大・全国がん登録室長は「たばこ対策の違いが大きい」と指摘しています。男性の16年の喫煙率をWHOのデータで比較すると米国は25%に対して日本は34%でした。喫煙率が早くから低下した米国では、肺がんがはっきりと減っているのです。

女性は日米とも新規患者数が最も多い乳がんで大きな違いが生じています。米国は乳がんによる死亡率が13年までの20年で36%下がった一方、日本では逆に33%上昇しています。乳がんの死亡率の上昇は「先進国では珍しい現象」(松田氏)といい、要因の一つが早期発見の遅れです。自治体などが乳がん検診の受診を呼びかけているものの、15年の日本の受診率は41%と米国の80%や先進国平均の61%を大きく下回っています。

検診の問題は乳がんにとどまりません。新規患者数が日本で最多の大腸がんを見ると、10万人あたりの死亡者数(男性)が米国では年々低下して13年に10人だったのに対し、日本は15人と高止まりしています。東京大学医学部付属病院の中川恵一・放射線治療部門長は「米国では、大腸がんを内視鏡で早期発見して小さいうちに取り除く手法が定着しているが、日本は遅れている」と話しています。

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