全員満足なんてありえない ブランドをリエディションブライトリングCEO ジョージ・カーン氏

2019/3/22

■全員を満足させることは不可能

――高級時計ブランド「IWC」のCEOなどを経て、2017年7月にブライトリングのCEOに就任して間もなくまる2年。リブランディングの手応えはいかがですか。

「やはり、いろいろと変化を起こすとそれに対して恐れや批判が生まれます。全員が満足するということは不可能です。アップルの創業者、故スティーブ・ジョブズは『全員を喜ばせたいのなら、リーダーになるな。アイスクリームを売れ』と言ったといいます」

「いろいろと変化を起こすとそれに対して恐れや批判が生まれます」

「ポルシェが初の多目的スポーツ車(SUV)『カイエン』を発売しようとした際、コアなファン層は『ポルシェはもう死んでしまった』とひどく批判しました。現代はデジタルの時代ですから、どんな批判でもすぐに拡散してしまいます」

「私の取り組みも、当初はそうした時期はありましたが、今ではオーナー一族もコレクターも安心してくれています。それはブランドのDNAを大切にしているということを理解してもらったからだと思います」

■ブランドのDNAは変えない

「ブランドのDNAには一切触れていません。私たちの取り組みは、車輪を一から開発するようなことではなく、もともとあったものをよりコンテンポラリーにしているだけなんですね」

「自動車で例えればいままではギアの2速でずっと走ってたようなものです。ギアを全部、1速から6速までを使ってフルスピードで経営していきたいと考えています」

――今後、取り組むべき課題は何ですか。

「これから加速させていく事業拡大には3つの柱があります。まずはブランドを再活性化するということ。それは我々のコミュニケーション戦略、店舗開発、ブティックの戦略においてもです。デジタルマーケティング、そして私がいうところの『モダンレトロ』というスタイルを徹底していきます」

■パイロットウオッチを再強化

「新しい顧客セグメントの開拓にも取り組みます。1940年代の時計に着想をえた『プレミエ』は現代のブライトリングが初めて日常のエレガンスに目を向けて作ったコレクションです。一方、新たなスーパーオーシャンはミレニアル世代に訴えるものとして準備しています。また、私たちの重要な歴史の一部である伝統的なパイロットウオッチも再強化していきます」

「そして3つ目は最大のラグジュアリー市場である中華圏です。中国本土のみならず香港やマカオを含め、私たちのブランドイメージを強化発展させ、さらに店舗開発も進めて新しい顧客基盤をつくっていきます」

(聞き手は平片均也)

「ギアを全部、1速から6速までを使ってフルスピードで経営していきたいと考えています」

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