スイスの高級腕時計ブランド「ブライトリング」。最高経営責任者(CEO)のジョージ・カーン氏は2017年7月の就任以来、リブランディングに取り組んできた。2019年の新作のねらいと今後の戦略について聞いた。
――新作で日本市場をどう攻めますか。
「ブライトリングにとって日本は米国、英国に次いで世界で3番目となる大きな市場です。また日本は非常に成熟した市場で、消費者も時計について豊富な知識を持っています。ですので、私たちは今回、1960年代、70年代を彷彿(ほうふつ)とさせるスタイルの『ナビタイマー1(ワン)エアラインエディション』と過去の作品を再解釈した『リエディション』を投入します」
「また、日本のミレニアム世代(1980年代から2000年代初頭生まれ)向けではダイバーズウォッチ『スーパーオーシャン』シリーズを一新。そして新作では、エコフレンドリー(環境配慮)のメッセージを訴えるためのスペシャルエディションなど、バランスの取れた商品群を日本で発売します」
――リエディションに力を入れる理由を教えてください。
「リエディションモデルをリリースする理由は2つあります。まずコレクター向けの市場もかなり大きいということがあります。さらに、私たちのブランドのDNA、歴史に立ち戻ることで顧客に安心感を持ってもらえると考えています」
■「歴史あるブランド」を訴える
「例えば、メルセデス・ベンツの新型車を購入する人たちの背景には、やはり『古くからある良いブランド』ということがあるのだと思います。私たちは業界で最も多岐にわたる商品群を持っています。モダンでコンテンポラリーなモデルも多々ありますが、私たちは歴史あるブランドであるということを訴えることで、顧客にまず安心感を持ってもらうということがリエディションの目的です」
「リエディションで重要なポイントは歴史的に正確でなければならないということです。こうした観点から、私たちは世界最大のブライトリングコレクションのオーナーと一緒にものづくりに取り組んでいます」
「ダイヤル(文字盤)やデザイン、サイズといったことはかなり高い精度で再現できるのですが、今はもうない部品もたくさんあります。そこで、内部や細部については豊かな知見を持つコレクターに協力を仰いでいます。もちろん新しい技術を採用していますので、リエディションモデルは技術的に非常に優れたものになっています」

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