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老後の大きな財産 企業年金の仕組みと歴史を学ぶ 企業・個人年金をマネーハック(2)

2019/3/11

どんなに魅力的な終身年金であっても制度が終了しては価値はなくなってしまいます。さらにもう一つ私たちを悩ませたのは「給付の引き下げ」です。

確定給付型の年金の多くは、労使合意を得ることなどを前提としていますが、制度の存続などを優先して給付の水準を引き下げることが可能です。正確な統計はありませんが、この数十年は多くの企業年金が制度変更などのタイミングで給付引き下げを行ったとみられます。

こうした引き下げの影響は大きく、定年間際の社員であっても労使合意が成立し規約の変更が認可されれば、給付水準は下げられてしまうわけです(そのため駆け込みで早期退職するケースもあったといわれる)。

■退職一時金制度は倒産時の財産保全体制が脆弱

企業年金は給付水準の引き下げなどがあり、不安を感じる人もいるかもしれません。しかし、退職一時金制度なら安心かというとそうでもありません。退職一時金制度は企業が外部保全を行っていない仕組みなので、倒産時にその財産保全体制は脆弱です。

理屈上、労働債権として従業員への支払いは優先されるものの、一般的に企業は万策尽き、すっからかんになって倒産しますから、最後の給料を支払うので手いっぱいです。退職金まで保証の手が回らないのが通常とされます。

マネープランとして考えると、企業年金も退職一時金も、不確定な資産形成の側面があります。これは会社員個人としては十分に認識すべきです。

■企業年金の枠組みを下支えしたのは確定拠出年金

ところで、今世紀に入ってからずっと拡大を続けている企業年金制度もあります。日本版401kと呼ばれて導入された「確定拠出年金」です。こちらは自己責任型の企業年金制度と呼ばれ、運用指図を自ら行うことが大きな特徴です。

この確定拠出年金、社員に投資のリスクを負わせるなんてけしからんなどと法制時には批判を浴びましたが、着実に普及しました。一度も加入者数が減少せず、毎年度増加し続けている唯一の企業年金制度であり、現在では690万人が加入しています。

先ほどの確定給付企業年金と合計すると会社員の38.9%、およそ4割をカバーしていることになります(厚生労働省資料による。同一企業で複数制度を採用しているケースも含めて推計している)。企業年金の枠組みを下支えしたのは実は確定拠出年金だったというわけです。

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