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人生を変えるマネーハック

老後の大きな財産 企業年金の仕組みと歴史を学ぶ 企業・個人年金をマネーハック(2)

2019/3/11

写真はイメージ=123RF

今月のマネーハックのテーマは「企業年金・個人年金」です。先週は老後資金として会社が準備してくれている企業年金が、いかに大きな財産であるかについて述べました。そしてそのノウハウは自助努力で老後に備える際にも役立つことを説明しました。

今週は企業年金の現状と個人のマネープランを考える上での注意点を解説します。少し専門的な内容になるかもしれませんが、多くの人は企業年金の仕組みを学ぶ機会はほとんどありません。一時金としてまとめて受け取る「退職一時金」の制度とともに覚えておいて損はないと思います。

■企業年金は退職金を年金払いで支給する仕組み

企業年金制度は会社が退職金の一部ないし全部を年金払いで支給する仕組みです。基本的に外部に積み立てられ、会社からは分別管理されます。一度積み立てた掛け金は退職時の支払いにのみ用いられ、会社の都合で取り崩されることはありません。会社にとっては計画的な資金準備になり(税制メリットもある)、かつ社員にとっては確実な資産保全でもあります。

適格退職年金(2012年3月で廃止)、厚生年金基金(この5年でほとんどが解散ないし制度変更)、確定給付企業年金(02年4月から開始)がいわゆる「確定給付型」と呼ばれる仕組みです。会社が積み立てから運用までを計画的に行うため、社員は運用について気にする必要はありません。社員にうれしい仕組みといえますが、今世紀に入って大きく縮小した制度でもあります。

かつて適格退職年金と厚生年金基金はそれぞれ1000万人以上の加入者を擁し、会社員のおよそ3分の2をカバーするまでに普及しました。特に厚生年金基金は終身年金をベースにしているため、老後の安定した収入源としてとても重宝されました。

■確定給付型は給付水準が引き下げられる可能性

ところが、1990年代のバブル崩壊により多くの確定給付型の年金は財政が悪化してつまずいてしまいます。適格退職年金はより財政検証体制のしっかりとした確定給付企業年金への制度変更を求められましたが、4割程度が単純解散となったとみられています。

厚生年金基金も受託資金の多くを消失させてしまったAIJ投資顧問会社の騒動が重なり、実質的に解散を促す法改正が行われ、この5年でほとんどが姿を消しました。18年3月末の数字で、確定給付企業年金が901万人、厚生年金基金が57万人となっており、2000万人以上をカバーしていた時代と比べると半減してしまったことになります。

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