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トップの勝負めし

融資交渉に向かう日々 背中を押した手打ちそば 星野リゾート代表 星野佳路さん

2019/3/10

テレビ東京「Newsモーニングサテライト」のシリーズ企画「トップの勝負めし」第6回のゲストは、国内外に38のホテル・リゾート施設を展開する星野リゾートの星野佳路代表(58)だ。星野さんはバブル崩壊のはじまりと重なる1991年に父親からバトンを引き継ぎ、すぐに事業モデルの見直しを迫られる。老朽施設の改修やサービス刷新には、メインバンクを説得して新たな融資を引き出さねばならなかった。そんな銀行との「勝負」に向け、背中を押してくれたそば店がある。

「かぎもとや」でインタビューに答える星野さん

しなの鉄道中軽井沢駅の近くにある「かぎもとや」(長野県軽井沢町)。4代目の土佐演男さん(80)が打つそばを、星野さんは幼いころから味わってきた。

バブル景気が終わり全国的に供給過剰となったリゾートホテルの経営者は、多くが資金繰りに頭を悩ませた。星野さんも例外ではない。何よりもメインバンクの八十二銀行との関係を維持することが最優先だったが、銀行も不良債権に苦しむ厳しい時代に入っていた。甘いはずのない銀行との話し合いの前に、星野さんがいつも立ち寄ったのが「かぎもとや」。見たいものがあった。

4代目がそばを打つ姿だ。頭の振りや表情、そして体全体の動き。見れば自然と気合いが入り、勇気がわいた。粗くひいた北海道産のそば粉を手打ちした田舎そばの見た目は無骨(ぶこつ)。それを秘伝の甘めのたれで口にしてから、銀行に向かった。そばは歯ごたえがしっかりしていて、1本1本に個性を感じる。その風味を最大限生かすため、店に温かいそばは置いていない。

不況の時代を乗り越えてきた星野さんの挑戦は今も続く。2月にオープンした若者向けホテル「BEB5 軽井沢」は、将来の需要をさぐる新たな試み。北米ではハイアットやヒルトンなどより利益率の高いホテル運営を目指す。すでに現地オーナーとの合意さえできれば発表という段階だ。

「私のキャリアでこの挑戦をやらずに終わるわけにはいかない」と並々ならぬ意気込みをみせる。そして「儲け話もビジョンと関係なければ関心はない。自分はどこに向かいたいのか、何になりたいのか、強く思うことが大事だ」と語る星野さんに、あの日、バンカーたちを前にした若い経営者の姿がダブってみえた。

かぎもとや4代目の土佐演男さんがそばを打つ姿が星野さんの胸を打った
「けんちんざる(ざるそば+けんちん汁)」は税込み1150円
かぎもとや
長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉3041-1
(電話)0267-45-5208
営業時間 午前9時~午後7時(土日祝は午後8時)
定休日は木曜(1、2月は水曜と木曜)

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