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花粉症の目のかゆみ 人工涙液と目薬の二刀流で

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

今年も多くの人が悩まされているスギ花粉症。鼻水と並んで、代表的な症状が「目のかゆみ」だろう。ドラッグストアに行くと花粉症向けの点眼薬もたくさん並んでいるが、処方薬とどこが違うのか?使用上の注意点は何か? 目のアレルギーに詳しい、みさき眼科クリニック院長(東京・渋谷)の石岡みさきさんに市販点眼薬の選び方や注意点について聞いた。

市販の点眼薬でも効果は期待できる

花粉症で目がかゆくなるのは、目に花粉が入って結膜(まぶたの内側から白目にかけての粘膜)に炎症が起きるため。医学的にはアレルギー性結膜炎と呼ぶ。では、なぜアレルギーが起きるのか、改めて確認しておこう。

花粉のような異物(体内にもともと存在しない物質)が体内に入ったとき、本来無害なものであるにもかかわらず必要以上に警戒してアレルゲン(抗原)だと判断する場合がある。すると、それに対する抗体(IgE)がつくられ、免疫反応を担う肥満細胞の表面に結合する。そして、再びアレルゲンが体内に入って抗体に触れると、アレルゲンを外に追い出そうとして肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどが放出されて、これが炎症やかゆみを引き起こすのだ。

このヒスタミンと似た構造を持ち、ヒスタミンの代わりにアレルギーを起こすスイッチを押す受容体に結合することでアレルギー反応を抑えるのが、抗ヒスタミン作用を持つ点眼薬。「眼科で処方される薬で圧倒的に多いのは、この点眼薬の代表ともいえるアレジオン(一般名:エピナスチン)やパタノール(オロパタジン)です」と石岡さんは話す。

今の時期はドラッグストアに行っても、花粉症の目のかゆみを抑える点眼薬が何種類も並んでいる。これらにも効果はあるのだろうか?

「『保険が利かない薬はあまり効果がない』と考える人は多いですが、そんなことはありません。『市販薬を使っているけれど、効かない』と受診してくる方に手持ちの市販薬を見せてもらうと、かゆみに効く成分が入っていないものを使っていることも結構あります。ですから、まずは症状に合った薬を選ぶことが大切でしょう。確かに市販薬は、基本的に処方薬に比べ濃度は薄くなっていますが、スイッチOTCといって処方薬とまったく同じ有効成分を含むものもあります。症状に応じた使い方をすれば、市販薬にもそれなりの効果は期待できると思いますよ」(石岡さん)

点眼薬は1滴差せば十分

市販の点眼薬での石岡さんのお薦めは、スイッチOTCの抗ヒスタミン点眼薬「ザジテン」(ケトチフェン)。もともと処方薬だったので、抗ヒスタミン作用が強い。ただし、ザジテンは酸性溶液のため、中には点眼時にしみるなど刺激を強く感じる人がいるのに加え、まぶたがかぶれてしまう人もいるという。刺激感が苦手な人は「クロルフェニラミンマレイン酸塩」という成分が入った点眼薬を選ぶといいそうだ。より刺激感が少なく、かぶれにくいうえ、薬剤師がいなくても購入できるという。

「ザジテンより弱いですが、抗ヒスタミン作用があります。ただドラッグストアには様々な種類の薬が売られているので、探すのがおっくうだという方もいるでしょう。一番いい市販薬の選び方は『花粉症で目がかゆいんです』と薬剤師や登録販売者に率直に相談すること。忙しくて眼科を受診するのが難しい人は、まずはこれらの市販薬を試してみて、効果が感じられないようなら眼科を受診するといいでしょう」(石岡さん)

効果を得るには差し方にも注意しよう。

点眼薬を一度に何滴も差す人がいるが、1滴差せば十分。差した後、すぐにまばたきをすると薬液が流れてしまう。目の表面に長く薬液をとどめるため、しばらく目を閉じて目頭を押さえる。

なお、家族であっても同じ点眼薬を使い回してはいけない。まつげなどに触れることで、結膜炎の感染などを起こしやすいからだ。30分ごとなど1日に何度もしつこく差す人がいるが、あまり差しすぎると薬に含まれている防腐剤で目を痛めることもある。記載されている用法・用量をきちんと守って使うようにしよう。

最初に人工涙液で花粉を落とすと効果的

できれば点眼薬の前に人工涙液を使うといい。人工涙液とはもともとドライアイの治療などに使われる点眼薬の一種。その名の通り涙に近い成分になっていて、いわゆる薬剤は入っていない。まず、これを使って目に入った花粉を洗い流すのだ。

なお、「目を洗う」といっても水道水で洗うのはNG。含まれている塩素によって目の表面に傷がつくことが多い。市販の目洗いカップも、いったん目の外に出た花粉がまた目の中に入ってしまい、目の外へ花粉を洗い流すという方法にはならない上、アトピー性皮膚炎などがある場合は皮膚への影響もあるため、勧められないという。

市販の人工涙液は「ソフトサンティア」や「ロートソフトワン点眼液」など。これらには花粉のハッチアウト(破裂)を抑える作用もあるという報告がある。花粉はそのままではアレルギー反応を起こさない。破裂して内部のたんぱく質が外に出てアレルギーを引き起こすので、ハッチアウトが少なければそれだけ症状も軽くなるというわけだ。

2018年12月には「ウェルウォッシュアイ」が発売された。これは人工涙液ではなく点眼型洗眼薬だが、よりハッチアウトを抑える作用が強いとされる。また、前述の人工涙液は使用期限が10日間なのに対し、ウェルウォッシュアイは開封後約1カ月使用できる。

これら人工涙液を起床後や帰宅した際などに、目を洗うように数滴使うとよい。「防腐剤の塩化ベンザルコニウムが入っていない人工涙液は、ドライアイの治療ではコンタクトレンズを装着したままでも使用できますが、花粉を洗い流す目的で使う場合は、コンタクトレンズをしていると洗い流す効果が少なくなるので、はずしてもらったほうがよいでしょう」(石岡さん)

成分を染みこませる点眼薬と違って、人工涙液を使う目的は目の洗浄なので、差した後はまばたきをして目の表面についた花粉を洗い流そう。その上で抗ヒスタミン作用のある点眼薬を差すとより効果的だ。ただし点眼薬を差すタイミングは「人工涙液の直後」ではないほうがいい。人工涙液を使った直後に差しても特に危険はないが、せっかくの点眼薬の成分が薄まってしまうので5分ほど間を空けるのがいい。

症状が軽ければ点眼薬を使わず、人工涙液で花粉を落とすだけで効果が出ることもある。「点眼薬も人工涙液も、冷蔵庫で冷やしておくとより炎症を抑える効果が高くなる」(石岡さん)そうだ。

点眼薬と同じく、人工涙液も使い過ぎはよくない。「使い過ぎると涙の安定性を保つために重要な役割を果たす粘液のムチンを洗い流してしまうので、多くても1日10回以内に。1回使ったら1時間は間を空けるようにしてください」と石岡さんはアドバイスする。

(ライター 伊藤和弘)

石岡みさきさん
みさき眼科クリニック院長。1989年、横浜市立大学医学部卒業。93年から米ハーバード大学スケペンス眼研究所に留学。帰国後、東京歯科大学市川総合病院眼科を経て、98年に両国眼科クリニック院長に就任。2008年から現職。横浜市立大学医学部眼科講師。専門はドライアイ、目のアレルギー。著書に『点眼薬の選び方』(日本医事新報社)など。

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