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花粉症の目のかゆみ 人工涙液と目薬の二刀流で

日経Gooday

2019/3/9

「保険が利かない薬はあまり効果がない」と思っている人もいるようだが、実際は? 写真はイメージ=(c)liza5450-123RF
日経Gooday(グッデイ)

今年も多くの人が悩まされているスギ花粉症。鼻水と並んで、代表的な症状が「目のかゆみ」だろう。ドラッグストアに行くと花粉症向けの点眼薬もたくさん並んでいるが、処方薬とどこが違うのか? 使用上の注意点は何か? 目のアレルギーに詳しい、みさき眼科クリニック院長(東京・渋谷)の石岡みさきさんに市販点眼薬の選び方や注意点について聞いた。

■市販の点眼薬でも効果は期待できる

結膜とは、まぶたの内側から白目にかけて袋状につながる薄い粘膜を指す(目を横から見た断面図、イラスト=三弓素青)

花粉症で目がかゆくなるのは、目に花粉が入って結膜(まぶたの内側から白目にかけての粘膜)に炎症が起きるため。医学的にはアレルギー性結膜炎と呼ぶ。では、なぜアレルギーが起きるのか、改めて確認しておこう。

花粉のような異物(体内にもともと存在しない物質)が体内に入ったとき、本来無害なものであるにもかかわらず必要以上に警戒してアレルゲン(抗原)だと判断する場合がある。すると、それに対する抗体(IgE)がつくられ、免疫反応を担う肥満細胞の表面に結合する。そして、再びアレルゲンが体内に入って抗体に触れると、アレルゲンを外に追い出そうとして肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどが放出されて、これが炎症やかゆみを引き起こすのだ。

このヒスタミンと似た構造を持ち、ヒスタミンの代わりにアレルギーを起こすスイッチを押す受容体に結合することでアレルギー反応を抑えるのが、抗ヒスタミン作用を持つ点眼薬。「眼科で処方される薬で圧倒的に多いのは、この点眼薬の代表ともいえるアレジオン(一般名:エピナスチン)やパタノール(オロパタジン)です」と石岡さんは話す。

今の時期はドラッグストアに行っても、花粉症の目のかゆみを抑える点眼薬が何種類も並んでいる。これらにも効果はあるのだろうか?

「『保険が利かない薬はあまり効果がない』と考える人は多いですが、そんなことはありません。『市販薬を使っているけれど、効かない』と受診してくる方に手持ちの市販薬を見せてもらうと、かゆみに効く成分が入っていないものを使っていることも結構あります。ですから、まずは症状に合った薬を選ぶことが大切でしょう。確かに市販薬は、基本的に処方薬に比べ濃度は薄くなっていますが、スイッチOTCといって処方薬とまったく同じ有効成分を含むものもあります。症状に応じた使い方をすれば、市販薬にもそれなりの効果は期待できると思いますよ」(石岡さん)

■点眼薬は1滴差せば十分

市販の点眼薬での石岡さんのお薦めは、スイッチOTCの抗ヒスタミン点眼薬「ザジテン」(ケトチフェン)。もともと処方薬だったので、抗ヒスタミン作用が強い。ただし、ザジテンは酸性溶液のため、中には点眼時にしみるなど刺激を強く感じる人がいるのに加え、まぶたがかぶれてしまう人もいるという。刺激感が苦手な人は「クロルフェニラミンマレイン酸塩」という成分が入った点眼薬を選ぶといいそうだ。より刺激感が少なく、かぶれにくいうえ、薬剤師がいなくても購入できるという。

「ザジテンより弱いですが、抗ヒスタミン作用があります。ただドラッグストアには様々な種類の薬が売られているので、探すのがおっくうだという方もいるでしょう。一番いい市販薬の選び方は『花粉症で目がかゆいんです』と薬剤師や登録販売者に率直に相談すること。忙しくて眼科を受診するのが難しい人は、まずはこれらの市販薬を試してみて、効果が感じられないようなら眼科を受診するといいでしょう」(石岡さん)

効果を得るには差し方にも注意しよう。

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