長期で残る市場波乱の芽 インフレが火種(平山賢一)東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長

それでは、今後もインフレ懸念を抱かずに過ごすことができるものでしょうか? 図のインフレ率のピークを見ていくと、興味深いことに戦争が絡んでいるのです。19世紀初頭はナポレオン戦争、1860年代は南北戦争が背景です。さらに、20世紀は第1次世界大戦、第2次世界大戦から朝鮮戦争にかけての期間、そして中東戦争といったように戦争によりエネルギー価格の上昇した時期と重なります。インフレ率の上昇は大きな戦争と表裏一体の関係にあることが確認できるでしょう。

国際関係に深刻な亀裂が生じれば経済に打撃

現在の世界は戦争状態にはありません。一方で、貿易戦争の加速、さらにはインターネット空間でのサイバー戦争などの懸念は残ります。いずれにせよ、国際関係に深刻な亀裂が生じれば、グローバル経済には大きな打撃になります。

過去の歴史を見ても、米国株が暴落する大きな要因として国際関係の悪化が挙げられます。自由な交易が阻害され、経済の冷え込みやインフレが懸念される事態となるからです。米中貿易戦争を巡り市場では楽観的な見方もありますが、問題の本質は両国の覇権争いです。投資家は警戒を怠らない方がいいでしょう。

プロのポートフォリオは運用に精通したプロが独自の視点で個人投資家に語りかけるコラムで、原則火曜日掲載です。
平山賢一
東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長。1966年生まれ。横浜市立大学商学部卒業、埼玉大学大学院人文社会科学研究科博士後期課程修了、博士(経済学)。89年大和証券投資信託委託入社、97年東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)入社、2001年に東京海上アセットマネジメント投信(現在の会社)に転籍。29年にわたり内外株式や債券を運用する。
近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし
近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし