長期で残る市場波乱の芽 インフレが火種(平山賢一)東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長

写真はイメージ=123RF
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「金融環境が好転に向かう一方、国際政治環境は不安定感が払拭できない」

米連邦準備理事会(FRB)は2019年に2%のインフレ目標の達成が困難との見方が広がっています。雇用情勢は良好なものの、グローバル化やデジタル化による経済構造の変化もあって、物価の上昇ペースは過去の景気回復局面に比べ緩やかだからです。

インフレ率が上昇しなければ、FRBの利上げ根拠も消失するため、米長期債利回りの上昇にも歯止めがかかるはずです。実際、トランプ政権発足後、一時は3.2%を上回っていた米10年国債利回りは今や3%を下回る水準で推移しています。

金融環境は好転に向かっているが…

また、FRBのバランスシート圧縮もその停止について議論されるようになっています。18年の株価急落の背景にはFRBの利上げや資産圧縮による長期金利の上昇がありましたから、金融環境は好転に向かっていると判断してよさそうです。

一方で、国際政治環境の不安定感は払拭できません。米中貿易戦争や経済のブロック化によるコストプッシュ型のインフレ懸念は、長期的な市場波乱の芽として残っているのが現状といえるでしょう。

今回は長期にわたるインフレ率の推移を振り返り、先行きの状況を予測する材料を提供したいと思います。インフレ率の推移は長期金利にも影響を与えるため、重要な意味を持つからです。

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