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自然を守るか、母になるか 映画『たちあがる女』

恋する映画 世界一男女平等なアイスランド女性の物語

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NIKKEI STYLE

2017年に世界中で巻き起こった性被害を被害者が告発する「#MeToo」運動などのムーブメントの影響もあり、ここ数年ますます注目されている女性の強さ。そういった時代の流れは映画などにも反映されるところですが、そんななかアイスランドから届いたのは、恐れることなく困難に立ち向かう女性の姿を映し出した最新作『たちあがる女』。北欧ならではの大自然を舞台に、独特な世界観が全編にわたって繰り広げられています。すでに、ジョディ・フォスターの監督・主演でハリウッドリメークも決定しており、注目必至の話題作です。

主人公となるハットラは、音楽と自然をこよなく愛する女性。コーラスの講師として充実した生活を送っているものの、ハットラは環境破壊を繰り返す企業に闘いを挑む裏の顔を持っていました。本作では、そんな彼女を中心に巻き起こる騒動がユーモアたっぷりに描かれています。

アイスランドが男女平等世界一の理由とは?

日本人からすると、たった一人で大企業に立ち向かい、目標を達成するために手段を選ばないハットラの強さには驚かされるところ。しかし、今回お話を伺った本作のベネディクト・エルリングソン監督によると、アイスランドではよくいるタイプの女性だという。

「僕の母も祖母も、ものすごくパワフルな人。僕も彼女たちにコントロールされているようなところがあったから、アマゾネスに囲まれて育ったような感じかな(笑)」と話しているほどです。

とはいえ、監督の話を裏付けるような事実を挙げるとすれば、アイスランドが男女平等度ランキングにおいてなんと10年連続の1位を誇っているということ。日本は毎年100位以下という不名誉な結果ですが、それを聞いて驚いた監督は「女性のみなさん、がんばって闘ってください!」とエールを送ってくれると同時に、男性に対して女性の地位向上を訴えかけるある方法も教えてくれました。

「これは科学的な事実といわれていることなんだけど、女性の経済的、社会的な地位が上がるとセックスライフがよりよくなるといわれているんだ。なぜなら、母系社会になると男性はよりリラックスして、男性同士の間でも攻撃性が減ってくる。それによって、性生活も充実するとされているんだ。だから、日本の男性にもそういうことを知ってもらうといいかもしれないね(笑)」

女性を尊重するアイスランドならではのアドバイスですが、仕事上で男女差別に苦しむ女性へのコメントもくれています。「もし、社会や権力を変えたいと思うなら、経済的なプレッシャーを与えるのが効果的。たとえば女性同士が連帯してストライキやボイコットを起こして戦うべきなんじゃないかな。ヨーロッパでフェミニストのムーブメントがあったときも同じようなことをして議論を投げかけていたんだ」

とはいえ、「それだけの行動を起こすのはなかなか難しいのでは?」と思うところですが、アイスランドでは1975年10月24日に男女差別に抗議した女性が一斉に仕事も家事も放棄し、ストライキを行ったことがあったそうです。しかも、驚くことに参加した女性はなんと国全体の90%。その結果、女性が権利を認められた日として「女性の休日」が制定されただけでなく、5年後の80年には世界で初めて国民の選挙で選ばれた女性大統領も誕生させています。

40年以上も前から女性の権利を訴え続けるアイスランド人女性の芯(しん)の強さは、劇中のハットラからも垣間見ることができますが、言いたいことも言えない女性たちにとっては見習いたいところです。

監督・脚本:ベネディクト・エルリングソン
1969年生まれ。アイスランドでは監督としてだけでなく、作家や俳優としても活動。舞台演出家としても知られており、アイスランドの劇場の歴史の中でも成功を収めたといわれる作品を数多く手がけた。監督・脚本を務めた長編一作目の『馬々と人間たち』では、20以上 の国際的な映画祭で様々な賞を受賞し、高く評価されている。

唯一無二の大自然に心が洗われる

本作においてもうひとつの主役といえば、アイスランドの豊かな大自然。日本では見たことのないような景色が次々と映し出され、どれも非常に印象的ですが、コンクリートジャングルで暮らす私たちにとっては、目の保養としてもオススメです。

監督によると、アイスランドの高原地帯というのはヨーロッパのなかでもまったく手が付いていない一番大きなエリアとのこと。そのなかでも監督のお気に入りスポットは、溶岩台地のレイキャネス半島と南の沿岸部にある氷河ホースネス。ぜひ、次の大型連休の旅行先として検討してみてはいかがでしょうか?

そして、最後に女性読者へ向けての熱いメッセージももらいました。

「いま、私たちの環境や社会は大きな変化を迎えている。そしてそれに立ち向かうことができる最後の世代。次の世代に任せたら遅すぎると思うんだ。自分だけケーキを取るのではなく、みんなで等しく分ける必要がある。だから、ぜひ日本の女性のみなさんにも連帯してもらって、世界を救ってほしいと思っているよ!」

これからますます女性の強さが求められる時代となりますが、主人公ハットラの姿を見れば、誰の心のなかにもある女性としての闘争本能が目を覚ますかもしれません。そして、いまこそ女性たちが立ち上がるときがやってきたと背中を押されるはずです。

『たちあがる女』
監督・脚本:ベネディクト・エルリングソン
出演:ハルドラ・ゲイルハルズドッティル、ヨハン・シグルズアルソン、ヨルンドゥル・ラグナルソン、マルガリータ・ヒルスカほか
配給:トランスフォーマー 
3月9日(土)YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開

【ストーリー】
アイスランドの田舎町に暮らし、セミプロ合唱団の講師を務めているハットラ。しかし、彼女は謎の環境活動家としての顔を持ち、アルミニウム工場を相手に孤独な闘いを繰り広げていた。そんなある日、長年の夢だった養子の申請が受け入れられたという知らせが届く。母になるという夢をかなえるため、ハットラは工場と決着をつけようとするのだが……。

(ライター 志村昌美)

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