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国民年金、産前産後も保険料免除 4月から新制度

2019/3/5

2019年度から、国民年金で出産前後の一定期間、保険料の納付を免除する制度が始まると聞きました。どんな内容ですか。

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自営業者やフリーランスで働く人らが加入する国民年金では、月々の保険料(18年度は1万6340円)を納めるのが経済的に難しい場合、全額や一部を免除する制度がある。16年12月に成立した年金改革法で、こうした第1号被保険者の女性が出産する際に産前産後の保険料を全額免除する仕組みが加わった。4月から実施する。

通常の免除期間は年金を受け取るために必要な資格期間に含めることができるが、きちんと保険料を納めたときに比べて年金額への反映が少なかった。このため保険料を追納(10年以内)しないと将来もらう老齢基礎年金は減る。今回の産前産後期間の免除は資格期間に含めるだけでなく、年金額にも全額反映させる。

他の免除と異なり、世帯の所得にかかわらず対象になるのも特徴。期間は出産の予定日の前月から4カ月間だ。期間中に働いているかどうかは問わない。

市町村の国民年金の窓口に必要書類を添えて申請する。「4月から制度が始まるので、4カ月間フルに免除されるのは5月以降に出産するか、出産予定日がある場合」と社会保険労務士の永山悦子氏は話す。3月に出産すると4、5の2カ月、4月なら4~6の3カ月が免除期間となる。

厚生労働省では年間20万人程度の利用を見込んでいる。年金額に全額反映させるための財源は、第1号被保険者全体で負担する。このため、国民年金の保険料は月額100円程度上がる。19、20年度の保険料はそれぞれ1万6410円、1万6540円となるが、追加負担分は70円、130円となっている。

一方、会社員らが加入する厚生年金保険では、同様の取り組みが14年4月から始まっている。産前産後休業を取得した被保険者向けに期間中の保険料を全額免除し、やはり将来の年金額を全額保障する。その分の財源は第2号被保険者全体で負担している。

対象となる期間は産前産後休業期間中で、産前6週(42日)、産後8週(56日)。期間中は働いていないことも条件だ。

だが、厚生年金では、出産手当金が健康保険から支給されることに加え、育児休業中の保険料も免除される。その後も3歳未満の子の養育期間中は給料が下がっても、将来の年金額は下がる前の標準報酬月額で計算する特例もある。

永山氏は「育休中の免除や養育期間中の特例は父親も利用できる。厚生年金の支援はずっと手厚い」と指摘している。

[日本経済新聞朝刊2019年3月2日付]

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