持ち運び便利・机の上で省スペース…技あり文具11選
ビジネスパーソンの働き方が大きく変わるなか、文房具にも新たなトレンドが生まれている。最近は複数の企業で利用するシェアオフィス、社員の席を固定しないフリーアドレス、リモートワークが普及。居場所を変えながら仕事をする「ノマドワーカー」と呼ばれる人も増えた。そこで、どこででも効率的に仕事をするための文房具が次々と生まれている。
書類や小物をコンパクトに持ち運び
ポイントは2つ。業務に必要な書類やツールをまとめて、コンパクトに持ち運べること。そして、狭いスペースでも快適に使えることだ。この2つの要素を満たす、ど真ん中の商品が「オルトナ キャリングプレート」(リヒトラブ)。A4サイズのバッグインバッグで、ノートパソコン、書類、小物類を整理して収納可能。これさえ持ち歩けば、どこででも業務ができる。
これだけなら普通のバッグインバッグとそう変わらないが、下部のボタンを外すと、底が広がって自立するのが最大の特徴。机の上に置いてもスペースをあまり取らず、必要な小物類をすぐに取り出せる。逆に上部のボタンを外すと、内側の書類ポケットにアクセスできる。
ただ、多彩なポケットを備えるが、筆記具を入れるスペースは少なめ。さまざまな筆記具を持ち歩くなら、「フリオ スタンドロールペンケース」(キングジム)もお薦め。巻物状のペンケースを広げ、上部を折り返すとスタンドに早変わり。しっかりと自立する。
また同社から2月末に発売されたばかりのペンケース「オクトタツ」も技ありの一品。省スペースでペンが探しやすい縦型ながら、倒れないとうたう。底面の吸着パッドで机に密着するのに加え、内蔵されている衝撃低減バネで、ペンを取り出すときなどにかかる衝撃を減らせる。
一方、書類が多い人に便利なのが「ドキュメントバッグ〈カタス〉」(コクヨ)。ファスナーを開けて広げるとファイルボックスになる書類ケースだ。A4クリアファイルを立てて入れておくことができ、書類を簡単に探せるのがメリット。
ファイルにも省スペースの波が押し寄せている。リヒトラブから1月に発売された「ツイストリングオルクル」は、2穴リングファイルながら表紙が折り返せるのが特徴。さらにリングが可動するので、とじた書類が折れ曲がる心配もない。こういったファイルには片面印刷の書類をとじることが多く、左ページがデッドスペースになっていた。折り返すことで、狭いスペースの有効活用になる。
イライラ解消で効率アップに
時短ニーズに応え、ちょっとしたストレス解消につながる新商品も引き続き増加中。消しゴムのかすを効率よく集めるとうたう商品はこれまでも多く発売されてきたが、「こうきたか!」と驚かされるのが「磁ケシ」(クツワ)だ。使うのは磁石の力。消しゴムに鉄粉が混ぜられており、ケース底面の磁石で吸い付ける。磁石に砂鉄が集まるようにすーっとくっついていき、癖になる使用感だった。集めた消しくずは、ケースのつまみを押し出すだけでサッと捨てられ、時短にもなる。
また、ありそうでなかったのが、1月に発売された「GLOO 角までぬりやすいスティックのり」(コクヨ)。塗る面が四角いので、紙の端まできっちりとのり付けすることができる。軸が四角くて転がらないのもメリットだ。
このGLOOシリーズは、接着・貼着用品を使う際のストレスや困りごとを解決するのがコンセプトで、デザイナーの佐藤オオキ氏が率いる「nendo」と協業。「片手で軽く切りやすいテープカッター」もあり、底面の吸盤で机に固定し、本体を手で押さえることなくテープを引き出せる。
机の上の整理に役立つのが「グラン」(セキセイ)。デスクトレーと、その上に重ねられる4サイズのブロックケースがラインアップされている。デスクトレーの上にツールが置けるので省スペースになるだけでなく、ツールを取り出すために引き出しを開け閉めする手間が省けるのもメリット。積み重ねたケースは前後左右にスライドでき、目当てのものがすぐに見つかる。
ノートをとじるリングに手が当たらないよう、とじ具を上下だけにした「ツイストノート セパリ」(リヒトラブ)や、筆記時の微妙な振動を徹底的に抑えて書き味を高めた「ブレン」(ゼブラ)など、新商品には「そこまでするか」という工夫が盛り込まれている。進化の歩みを止めることがない最新の文房具を駆使して、身近なところから「働き方改革」を始めてみるのもいいだろう。
[日経トレンディ2019年4月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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