ディスコ社長は家康流 いい数字より「強い会社」にディスコ 関家一馬社長(上)

ディスコの関家一馬社長
ディスコの関家一馬社長

半導体製造装置のディスコは売上高が1673億円、経常利益率は31.5%(2018年3月期)と高収益企業の代表格として知られる。創業家出身で3代目の関家一馬社長(53)は09年の就任以来、「強い会社」であることにこだわってきた。グローバル市場で勝ち続けるための経営者の役割について聞いた。

業務改善もバトル方式でやる気に

――半導体の材料となるシリコンウエハーを精密に切断したり研磨したりする装置で、高い世界シェアを維持しています。

「目指しているのは、数字がよい会社ではなくて、強い会社です。強さを犠牲にしながら結果を出すということが、スポーツチームでも会社でもできてしまいます。しかしエースが力投して優勝しても、肩を壊してしまってはその後のチームが弱くなる。自分の任期中に数字をよくすることだけ考えていると、次世代に犠牲を残すことになりかねません。目の前の結果よりも、自分たちが強くなることを優先しようと考えてきました」

――そう思うようになったきっかけはありますか。

業務プロセスの改善提案を対戦形式にした「PIM対戦」では関家社長も評価者として参加する=ディスコ提供

「製造業で一時期、工場を売って、これからは製品の企画や開発に特化するファブレスの時代だと言い始めたときがありました。しかし、実は世界から見て日本の生産品質は非常に高く、特に半導体に関しては世界中から技術を欲しがられています。工場を売ることで短期的には固定費が減ったように見えて、実は自社の一番の強みを手放してしまったのではないでしょうか。そうすると現場のモチベーションが下がり、会社全体が弱体化します。業界内でそういう企業を見てきて、反面教師にしています」

――社長就任以来、ユニークな施策を次々に打ち出してきました。「PIM(Performance Innovation Management、業務プロセスの改善)対戦」と呼ぶ、改善提案バトルもその一つですね。

「改善の対象業務は物流から給与の年末調整まで様々あり、ほぼ毎日やっています。改善の提案者は1分間ずつプレゼンし、聞いている人は社内で開発した携帯アプリから投票します。勝敗によって部門の評価に影響があったりするので、プレゼンする社員は緊張感がありますね。盛り上がりますよ。対戦に勝っていくと、段位が上がる仕組みです」

「改善活動って多くの会社で形骸化しています。それをいかに形骸化させないかと考えたときに、やはり勝負ごとにしようと思ったのです」

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