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100年ぶり! 「絶滅した」はずのゾウガメ見つかる

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ナショナルジオグラフィック日本版

ガラパゴス諸島のフェルナンディナ島で、フェルナンディナゾウガメ(学名:Chelonoidis phantasticus)が100年ぶりに見つかった。発見したワシントン・タピア氏にとっては、アカデミー賞を受賞したような感激だった。

「30年間、カメの保護活動に取り組んできましたが、今回の発見は人生最高の成果ですよ。オスカーを手にした気分です」と、タピア氏は話す。タピア氏は、米国の非営利団体ガラパゴス・コンサーバンシーで「ゾウガメ回復イニシアチブ(GTRI)」のディレクターを務めている。

フェルナンディナ島はゆるやかな斜面をもつ火山島で、ガラパゴス諸島では一番新しい島だ。タピア氏といっしょにゾウガメの姿を探していたのは、ガラパゴス国立公園のジェフリーズ・マラガ氏ら5人だ。

残っている記録では、フェルナンディナゾウガメが目撃されたのは1906年が最後。2017年まで、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「絶滅した可能性あり」とされていたカメだ。現在、フェルナンディナゾウガメは「近絶滅種(critically endangered)」に変更されている。

「このゾウガメがまだ生きていることを、はっきり示すことができました」とタピア氏は語る。

2019年2月17日の午前6時、チームは島を覆う無数の溶岩流の間に点在する草地に幻のゾウガメを探しに出発した。正午に、ようやく1平方キロほどの小さな草地でカメの糞らしきものを見つけた。タピア氏は、土が押しのけられ、甲羅と足の跡が泥にくっきりと残った寝床を見て、カメが近くにいると確信。4キロ近く離れた場所の草木に隠れたカメをマラガ氏が見つけた。

「種を絶やさないことができるかもしれないという希望が生まれました。そのためには、人間の活動を変える必要があります」とタピア氏は話す。

タピア氏らが見つけたメスのゾウガメは100歳ほどで、チームの手でガラパゴス諸島のサンタクルス島にある飼育センターに送られた。というのも、このときメスがいた場所はエサが乏しく、このままフェルナンディナ島に残してしまうと、「カメが移動してしまって、見つけることは難しい」とタピア氏が考えたからだ。カメは住みかを頻繁に変える。そして、同島は600平方キロ以上あり、捜し回るには広すぎる。しかもフェルナンディナ島は溶岩流のため地形は起伏に富み、カメの居場所を突き止めるのは容易ではない。

とはいえ、タピア氏らのチームは、ほかの個体も見つけたいと考えている。今回のフェルナンディナ島の探索で、メスがいたところから2キロも離れていない場所でカメが通った跡が見つかっているのだ。チームは2019年中に再度この島に遠征して調査する予定だ。

しかし、その前にやるべきことがあった。本当にフェルナンディナゾウガメ(Chelonoidis phantasticus)であることを確認することだ。タピア氏は、メスのカメからDNAサンプルを採取し、米エール大学のゾウガメの専門家に送る予定だ。判定までに、数カ月かかる可能性もある。もちろんタピア氏は、カメはフェルナンディナゾウガメだと確信している。

そして、ほかのフェルナンディナゾウガメの個体が見つかれば、繁殖して個体数を増やし、元の生息地に戻したいと考えている。カメは200歳まで生きられるため、いくら高齢とはいえ、このメスが種の復活に貢献する時間は十分あるからだ。

絶滅危惧種に指定されたゾウガメを保護し、繁殖させて野生に戻す取り組みはすでにある。「ガラパゴス・コンサーバンシー」では、これまで7000匹以上のゾウガメを飼育し、野生に戻すことで、絶滅の危機から救ってきた。エスパニョラ島に生息するあるゾウガメは、繁殖を始めた時点で、わずか14匹にまで減ってしまっていた。しかし、現在は1000匹を超すまでになっている。

ガラパゴス諸島では、合計15種のガラパゴスゾウガメが特定されている。そのうち2種はすでに絶滅し、12種は絶滅が危惧されている(ピンタゾウガメは、現在、絶滅か絶滅危惧かの判断が保留されている。これはピンタゾウガメの最後の1匹と考えられた「ロンサム・ジョージ」が2012年に死んだものの、その後の調査で似た形質をもつゾウガメが見つかったことで、ピンタゾウガメが生き残っている可能性が出てきたためだ)。

今回のフェルナンディナゾウガメの発見は「単に1つの種が絶滅していなかったという以上の意味が実はある」とタピア氏は考えている。

「ガラパゴス諸島のゾウガメは、生態系の土木技師のようなものなのですよ。島内を歩き回って種子を散布し、生態系を維持することに役立っています。このゾウガメがもつ生態学的な役割がとても重要なのです」とタピア氏は語った。

(文 JILL LANGLOIS、訳 山内百合子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2019年2月26日付]

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