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ティラノサウルス巨大化の謎解くカギ 小柄な祖先発見

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ナショナルジオグラフィック日本版

強大なティラノサウルス・レックスの祖先の化石が米ユタ州で見つかり、2019年2月21日付けの学術誌「Communications Biology」に論文が掲載された。モロス・イントレピドゥス(Moros intrepidus)と命名されたこの新種は、9600万年前のもので、体重約77キロ、体高1.5メートル足らず。白亜紀にいまの北米にあたる地域に生息していたティラノサウルス類(上科)としては、最も小さい部類だ。

現在、古生物学者は、この化石から、北米のティラノサウルスが弱者から王者に登りつめた過程を解き明かそうとしている。モロスの化石は、北米で見つかった白亜紀(1億4500万~6600万年前)のティラノサウルス類の骨としては最も古い。これまでより1500万年も前のものだ。

「モロスは、ティラノサウルスが北米大陸で食物連鎖の頂点に君臨する捕食者としての地位を築いた過程を詳細に解き明かす手がかりになります」と、論文の筆頭著者で、米ノースカロライナ自然科学博物館の古生物学者リンゼイ・ザノ氏は話す。

10年で唯一の発見

白亜紀の初期のティラノサウルス類は、私たちが今日思い描く強大な恐竜とは似ても似つかぬ姿だった。当時は、自身よりはるかに巨大な肉食恐竜であるアロサウルスの横にくっついて狩りをする、取るに足らない小さな捕食者だった。8000万年前までに、北米のアロサウルスが衰退するのに伴い、ティラノサウルスは約10倍に巨大化した。その結果、アロサウルスに代わり、王座を華々しく独占するようになる。

しかし北米大陸では、白亜紀中期の化石が見つかっていないため、ティラノサウルスが巨大化した過程は依然として謎に包まれている。北米では、いくつかの歯の化石を除き、約1億5000万~8000万年前のティラノサウルス類の骨格化石が発見されていなかったのだ。

そのため、研究者たちは、ザノ氏を含め、白亜紀中期の岩石の地層を探し続けた。2013年、ザノ氏はお宝を掘り当てた。ユタ州中部のシーダーマウンテン累層にある自身の発掘現場を歩いていると、丘の斜面から突き出た足の骨が、思いもよらず目に入ったという。

「この地域で10年も発掘をしてきましたが、これまでに回収できた唯一の骨です」と同氏は話す。「非常に長い時間がかかりましたが、ものすごい幸運に恵まれました」

驚異的な進化速度

モロスの足の骨はとても細い。後に出現するティラノサウルス類の大型種の子どもよりも、ひょろっとして見える。しかし、モロスは幼体ではなかった。骨の断面を詳細に調べた結果、死んだのは少なくとも6歳か7歳の時で、成体に近いことがわかった。

この小さな化石から、北米のティラノサウルス類は、少なくともモロスの時代まで小型のままであったことが示唆される。つまり、わずか1600万年間で、映画で怪物として描かれる大きさにまで巨大化したわけだ。驚異的な進化速度である。モロスの後ろ脚に、後の大型ティラノサウルス類に見られる、走るのに適応した特徴がいくつか見られるのは妥当なことだ。

「モロスは、この点で重要です。やがて大型になったティラノサウルス類の、最初期の手がかりなのです」と米カーセッジ大学の古生物学者でティラノサウルス類の専門家トーマス・カー氏は話す。なお同氏は、今回の研究には関わっていない。

さらにモロスは、アジアに生息していた白亜紀初期のティラノサウルス類にそっくりだという。今回の発見は、当時陸続きだったアジア大陸から北米大陸へ、モロスの祖先が渡ったことを示唆している。この2大陸間で交流があったことは、他の恐竜の記録から間違いない。その旅を称え、世界を駆け巡るという意味の「イントレピドゥス」が、モロスの種名として付けられた。

モロスの正体を明らかにした今、ザノ氏は、その生息環境の解明に力を注いでいる。モロスが見つかったのと同じ岩石層からは、巨大なアロサウルス類のシアッツに加え、数種の草食恐竜も発掘された。その中には、巣穴に隠れていたと考えられるものもあった。また、同氏は、この地域から出土した化石の植物の生態に関する共同研究も行っている。

「うまくいけば、発見したものすべてを1つにつなぎ合わせ、失われた白亜紀の生態系を解き明かすことができるでしょう」とザノ氏は期待している。

(文 MICHAEL GRESHKO、訳 牧野建志、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2019年2月26日付]

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