不安な老後はなくせばいい 落語に学ぶ生涯現役とは経済コラムニスト 大江英樹

面白いデータがあります。総務省が発表している「労働力調査」に就業者の数字と雇用者の数字が1953年(昭和28年)から載っているのです。就業者とは働いている人、雇用者とは雇われて働いている人ですからいわば会社員です。

その数字を見ると、2018年(平成30年)12月時点での就業者数は6668万人で、そのうち雇用者は5938万人となっています。つまり、働く人の中で会社員(団体や官公庁で働く人も含む)は約9割を占めているのです。

ところが、1953年12月の統計を見ると、その比率は約4割にすぎません。つまり、昔は今よりも会社員がはるかに少なく、自営業などで働く人が多かったということでしょう。

これからの時代、定年は通過点

日本が高度成長を続けて行く中で会社員が増え、定年制度が定着するにつれて、老後が大きくのしかかってくるようになってきたのです。定年は仕事を強制的に終了させられるようなものです。

会社員が増えることによって定年が一大事となり、人生における最後にして最大のイベントになってしまったのだと思います。社会構造は急に変わることはありませんから、今後も会社員が働く人の中心である時代は続くでしょう。

でもこれからの時代、定年は単なる通過点にすぎなくなるかもしれません。生涯現役で生き生きと働くことができる時期がやって来ると考えると、決して悪くない時代のような気がします。

「定年楽園への扉」は隔週木曜更新です。次回は3月21日付の予定です。
大江英樹
野村証券で確定拠出年金加入者40万人以上の投資教育に携わる。退職後の2012年にオフィス・リベルタスを設立。著書に「定年3.0 50代から考えたい『その後の50年』のスマートな生き方・稼ぎ方」(日経BP社)、「定年男子 定年女子 45歳から始める『金持ち老後』入門!」(同、共著)など。http://www.officelibertas.co.jp/

定年3.0 50代から考えたい「その後の50年」のスマートな生き方・稼ぎ方

著者 : 大江 英樹
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