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純烈 「晩年の青春」に華を添えるグループになりたい

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スーパー銭湯を主戦場にムード歌謡を歌い続けている純烈。2018年末には『NHK紅白歌合戦』に初出場し、意気揚々の新年にはるはずだったのが、メンバーの不祥事で状況が一転。だが、これまでと変わらない姿勢で前に進むと決めた彼ら。その思いとは。

1月9日にメンバー友井雄亮の不祥事が発覚。その2日後、友井は芸能界引退を発表した。1月15日には、他のメンバー4人が会見。ちまたでは「活動休止? 解散?」といった声も上がっていたが、「これから全国にお礼を言いに行こうという矢先だったので、そのお礼を言えないということは自分の中ではありえない。純烈が解散することはありません」。リーダーの酒井一圭は、そう断言した。

日経エンタテインメント!では1月7日に彼らを取材。これまで培ってきたファンとの距離、描いているグループ像など、率直な思いをいろいろ話してもらった。これまでと変わらない姿勢で前に進むと決めた彼らの言葉として、ここに掲載したい。

『紅白』が終わったその足で、彼らは草加・東名厚木・相模の健康センターを凱旋した。しかし1カ所目である草加の前に、酒井はメンバー白川裕二郎の結婚報道が出ることを知らされる。記憶がないほどの慌ただしさのなか、一気に現実に引き戻されたと言う。

今まで聞かれなかったことが

酒井一圭 紅白後も密着取材があって、すぐ着替えて30分やったらまた着替えて移動して…の繰り返しでした。その途中、草加の前に「白川の結婚報道が出るので記事を確認中」とマネジャーから言われまして。僕らとしてはどういう形で出るのか見てみないと的外れなリアクションになると思ったので、最後の相模に行く時にコンビニで新聞を買って確かめました。(白川の結婚を)隠してたわけではないんですよ。ファンの中にはご存じだった方もいると思います。白川も聞かれたら答えていただろうけど、今まで聞かれなかった(笑)。名前が知られるようになると、いろいろほじくり返されるんだなと思いましたね。

ただ、ショックを受けるお客さんもいらっしゃるでしょうし、一つ間違えばグループが終わるかもしれないと思ったので、どう発表するかは僕にとってある意味、『紅白』より勝負でもありました。かと言って取りつくろうつもりもなかったので、セットリストから1曲抜いて、お客さんの前で新聞片手に僕が本人に直撃して――。

白川裕二郎何人かは泣かれている方もいらっしゃいましたけど、おおむね「そうだよねー」という感じでした。「同性愛じゃなかったんだ」と言われたり(笑)。

一同 ははははは!

白川 僕が男好きなんじゃないかという疑惑が一時期ファンの間であって。握手したお客さんの中には、「男好きじゃなくてよかった、裕ちゃん…」と言う方もいて、ちょっと複雑な気持ちでしたね(笑)。

酒井 以前、ある先輩歌手の方から「リーダーって、世の中的にグループにいいことがあった時にはぐちゃぐちゃだから」と言われたことがあるんです。「でもそのぐちゃぐちゃが済んだらまたいいことがある」とも。確かに僕はみんなが「よっしゃーっ!」って言ってる時は次のことを考えないといけないから、素直に喜べなかったりするんですけど、逆にみんなが大変なとき、次は必ずいいことがあるという気持ちになる。今回すごくそれを感じました。

結成は07年。俳優活動に限界を感じていた酒井がメンバーを集め、10年に『涙の銀座線』でメジャーデビュー。しかし鳴かず飛ばずでレコード会社との契約は2年で打ち切りに。キャバレーやスーパー銭湯、健康センターで細々と活動していたなか、13年に日本クラウンと契約。

ステージで歌っている時は憧れの的だが、それ以外の時は何でもさらけ出す――当時からそんなスタイルでやってきた。

酒井 スーパー銭湯って、照明は蛍光灯で、ど暗転も無理だし、演出が効かない場所なんです。見せなくていいところも見られてしまうので、だったら見せにいこうじゃないかと。隠しておいてバレると短所でしかないけど、見せてしまえば短所も個性になる。僕たちは能力的に何かズバ抜けているわけでもないので、早い段階から"隠さないでいこう"と決めました。

お手振りやハグは当たり前。客席を回りながら「あ、元気?」といった表情をしたり、気さくに言葉を交わすメンバーを見ていると、客の大半が彼らの親戚なのではという錯覚をしてしまう。何よりおばちゃんたちの幸せそうなこと。「会えるアイドル」は数あれど、その決定版を見せられている気がした。

触れ合わないと成り立たない

小田井涼平僕らはキャバレーからスタートしているので、お客さんと触れ合わないと成り立たないんです。やらない選択肢を取ると呼ばれなくなる。僕らがどうこうより、どうやったらお客さんが喜ぶかが優先。ファンサービスをどこまでやるか悩んだ時期もありましたが、距離を置いたら何ひとつうまくいきませんでしたね。

白川 歌も聴きに来ているけど、写真撮影を楽しみにしている方も多いので。だから撮る前後も気を抜かないようにしています。僕たちのほうから率先していくと、本当に喜んでくれるので。

後上翔太 ただ、フレンドリーならいいというものでもなくて、敬語かタメ口かは相手を見ながら、少しずつ味を変えたりしています。敬語の方に敬語で返すと「よそよそしいけど、どうしたの?」と言われたりしますし、「イェーイ!」ってきた方に同じような調子で返すと「年下なのに生意気ね」みたいな反応をされることもある。

白川 屋外での営業でも抱きつかれたりします。昨日、コート脱いだら背中にメイクががっつり付いてた(泣)。高いコートだったんでちょっと落ち込みました。あとお尻を触られたり…。

酒井 それは全面的に白川さんが悪いですよ。いいお尻だから触られるわけで、コートに化粧が付くのが嫌なら、付いてもいいものを着ればいい(笑)。

後上 おばちゃんにはルールが通用しないからね。

小田井 そうね。あまり度が過ぎることは注意するけど、聞く気がないのか、耳が遠いのか(笑)。

酒井 聞こえないふりするの、うまいんだよね。「おいおい聞こえてるやろ」って言うと、おどけた顔をする(笑)。でもそういうやり取りができる関係性。

小田井 今って握手するにも1人何秒とか決まっているところが多いみたいですけど、僕らの場合、手を出すのにも時間がかかる方がいらっしゃるので、ルールを作るのは難しいんです。

後上 例えば「ほっぺにチューして」とか、どうしてもできないなと思うことはできないと言います。一瞬シュンとなるけど、次はそれを言わずに来てくれる。

酒井 チューしてくださいなんて、俺、言われたことないぞ?(笑)

小田井 しちゃえばいい、しちゃえしちゃえ(笑)。俺もしたいもん。

後上 その判断は…メンバー各々ということで(笑)。

お年寄りファンが多いと生死にからんだ話題も日常だ。

酒井 よく来ていた方の姿を見かけなくなると僕らも気になるし、話題にしたりしますね。昼にいらしてた方が、その日の夜に急に亡くなって、「今日も見る予定だったのに来られなくなった」と同行者の方に言われたことも…。

後上闘病されてて数年越しで復活という方もいます。急に来なくなるとやはり気になるので、復活すると一瞬「夢?」って思ったりするんですが(笑)。再会したときは「あああーっ、よかったー!」って、なんとも言えない気持ちに…。

酒井 家一軒分くらい純烈に注ぎ込んだというメディアによく出てる後上ファンの方も、大病からのカムバック。一度死にそうになった経験をしているから、ご家族も「生きているうちに好きにしてほしい」って言ってくれてるそうです。旦那さんも息子さんもいるけど、どこでも行っておいでって。

小さい会場がいい理由

ファンとのそんな"近さ"も、『紅白』に出たことによって変化せざるを得なくなるのだろうか。18年は初の全国ホールツアーを開催。19年も4月23日に東京国際フォーラム・ホールCでの公演が予定されている。

小田井 おかげさまで単独でも大きな会場でやらせてもらえるようになりましたが、そういう場所では正直、ステージをやっている実感があまりなくて。

大きい会場って目のいい人でも見えない空間なのに、目が悪くなってるおじいちゃんおばあちゃんは何も見えてへんやろうなと思うんですよ。モニターがあるかもしれないけど、そういうことじゃないんですよね。普段僕らがやっている温度感と全く別物だから、やるならば、やり方を考えなければと思っています。

後上を除くメンバーは全員特撮ヒーロー出身者。20年近く前、若手俳優の登竜門としてこのジャンルが注目を浴びるようになった時、ブームを作っていた面々だ。俳優から歌謡歌手に変身した彼らは、40代で迎えた2度目のブレイクを冷静に、かつ丁寧に捉えている。

酒井 もっと儲けたいのであれば、ZOZOTOWNのようなものを立ち上げればいいと思うんですよ。でも僕らは規模が小さくても堅実に、できるだけ長くやりたい。自分の所得を無限に考えない。働く人と顧客が長く付き合える関係。

そう言っててもいつかは閉店という日が来るんだろうと思います。でも僕らが終わる時は、できればお客様側の理由であってほしい。長く応援していたけれど、この度亡くなりました、とか。

「最後まで楽しかった、純烈ありがとうね」と言ってもらえるグループになりたいんです。ご家族の方に「うちの母は純烈のこの歌、好きだったんですよ」とお葬式で僕らの曲を流してもらえるような。

「晩年、とても熱い青春があった」と言える人生って素敵だと思うんです。純烈は、そこに華を添えるグループになれるよう、これからも頑張ります。

(ライター 木村尚恵)

[日経エンタテインメント! 2019年3月号の記事を再構成]

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