投資のコツ サービス業は人と組織で選べ(苦瓜達郎)大和住銀投信投資顧問シニア・ファンドマネージャー

そういった人や組織の強みを理解することは、正直いって大半のアナリストやファンドマネジャーには困難です。投資家向け広報(IR)の現場で接する人たちや、人から聞いたその企業に関するエピソードなどを基にして想像するしかないのですが、全体像を正確に把握することは不可能といえます。むしろ、個人投資家の方がご自身の生活との関わりで正確に理解しておられるのではないかと思います。

人材ビジネスや広告代理店、ホテルなどを除くと、景気と業績の関連性は高くありません。そのため、ここ1年間のように景気悪化が強く意識されるような局面では、株式市場で消去法的に人気を集めがちです。

長期な視点では環境変化への対応が必要

しかし、より長期的な視点では人々の嗜好など業種が成り立つそもそもの前提が変化することにより、ビジネスモデルが通用しなくなるリスクは決して低くありません。

私がアナリスト時代に担当していた業種でも、DPE(写真の現像・焼き付け・引き伸ばし)店やNTTドコモの「iモード」コンテンツ・プロバイダーはほぼ消え、再就職支援のサービス会社は総合人材業界に飲み込まれました。長期投資を行うのであれば、そういった大きな環境変化のリスクも視野に入れなくてはいけません。

もっとも、もし現在のビジネスモデルが成り立たなくなる環境変化が予想されるとしても、経営者が正しい判断をして組織がきちんと機能すればビジネスモデルのシフトは可能です。そういった意味で、変化に対応しつつきちんと組織や人材面での強みを維持している会社に投資することがリスクヘッジのためにも重要といえるでしょう。

プロのポートフォリオは運用に精通したプロが独自の視点で個人投資家に語りかけるコラムで、原則火曜日掲載です。
苦瓜達郎
大和住銀投信投資顧問シニア・ファンドマネージャー。1968年生まれ。東京大学経済学部卒業後、91年大和総研入社。アナリストとして窯業やサービス業の担当を経て中小型株を担当。2002年大和住銀投信投資顧問入社。中小型株ファンドの運用に携わる。
近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし
注目記事
近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし