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36時間で新サービスつくれ! フェリーでハッカソン

2019/3/13

最優秀賞を獲得した「サブマリウム」のサービス。丸窓から見える水族館の映像にタッチすると魚が動いたりエサが出てくる(写真 津田千枝)

限られた時間と空間の中で、発想力と企画力、技術力を競い合うハッカソン。2泊3日、海の上で実施されたハッカソンを津田千枝さんが取材しました。年齢も背景もさまざまな人たちがチームを組み、得意分野を生かし合って実現したものは?

■フェリー船内でアイデアと開発競争

ハッカソン(Hackathon)とは、プログラムの改良を意味するハック(Hack)とマラソン(Marathon)を組み合わせた造語。限られた時間と空間で、特定のテーマに沿ってソフトウエアやサービスの開発を行い、アイデアの斬新さや技術の成果を競い合うイベントです。米企業でスタートしたといわれ、今では多くの場所で開催されているようです。

このハッカソンが、大阪-別府を2泊3日で往復するフェリーという非日常の空間で開催されると聞き、参加してきました(Code for OSAKA主催)。

会場となったのはフェリー「さんふらわあ あいぼり」の船内と、「かんぽの宿 別府」の宴会場・会議室です。

会場となった「さんふらわあ あいぼり」(別府港にて)(写真 津田千枝)

今回のテーマは「フェリーの船旅を楽しくするツール・サービスを考えよ」。2泊3日といっても、フェリーへの乗船が1日目の午後7時半。アイデア出しを始めたのが午後9時半。その後チーム編成を行い、開発をスタートしたのが午後11時半。成果の発表が3日目の午前11時からです。限られた時間と、船上という非日常的な空間で行われる「過酷」なハッカソン、参加者は寝る間も惜しんで開発を頑張っていました。

■学生や女性の参加者が活躍

今回の参加者は53人。うち女性が12人。学生も11人参加しました。

全く知らない人同士が集まって行われるハッカソンは着想力、企画力、技術力だけでなく、チームワークやリーダーシップも問われます。またアイデアの完成度を高めるために、リーダーはよい人材を集めるスカウト力、開発したものを分かりやすく発表するプレゼン能力なども問われます。

まず乗船後、くじで決まった部屋に集合。同じ部屋のメンバーと一緒にブレインストーミングしながら自分のアイデアをまとめたスケッチを制作します。そのスケッチをフェリー内の食堂に並べて発表し、投票を行います。さらに自分のアイデアをプレゼンして、賛同してくれるメンバーをスカウト。参加者は自分の得意分野によって「エンジニア」「デザイナー」「プランナー」のいずれかの役割で申請しているので、チーム編成時には、自分の役割以外の人をスカウトしてチームを構成します。この日は最終的に11組のチームが結成されました。

乗船後、くじ引きで割り当てられてた部屋でアイデア出しを開始(写真 津田千枝)
アイデアスケッチ。ユニークなアイデアがたくさん出てきた。(写真 津田千枝)

■最優秀賞は夜の航行でも海を感じられる「フェリー水族館」

11組の中から決まった最優秀賞は「サブマリウム」。サブマリン(潜水艦)とアクアリウム(水族館)からの造語です。フェリーの客室の壁にプロジェクションマッピングで水族館の映像を投影し、手で触れると魚が動いたり、エサが出てきたりして楽しめるというアイデア。映像は、潜水艦をイメージした丸窓で投影されるというデザインです。

フェリーは貨物輸送が主軸なので夜の航行が多く、外の景色が見えない時間が長いため、より海を感じられる楽しい船旅にしたいというコンセプトです。丸窓の中に見える魚たちもかわいくて、子どもから大人まで楽しめるだけでなく、将来的にはフェリーの航路に実際に生息する魚と海底を映し出して、その土地を知る学びにつながる可能性も高く評価されました。

技術力の高さだけでなく、手の距離を測るためのセンサーを固定する枠を、船内にあった割り箸を使って作っていたのも目を引きました。プロジェクターを時間限定で借りたり、割り箸の枠を固定するフロアスタンドは会場にあったものを発表の直前に借りたりと、ぎりぎりまで綱渡りの状況だったようです。

今回の審査基準は3つ。(1)乗客からよくもらう要望を解決できるか(2)「船」ならではのものか(3)楽しさや夢、遊び心があるか。この3つを網羅し、さらに「独自新規性」「実現可能性」も加味されて審査されました。

次点となったアイデアは「レストランや大浴場などの空き状況を、船内設置の大画面や端末で表示する」という、あったら絶対に役立ちそうなものでした。他にも、カモメがカメラに映ったらLINEで教えてくれて、カモメにエサをやりに行けるなど、興味深いアイデアがたくさんありました。

成果発表直前の最後の仕上げの様子。(写真 津田千枝)
次点となった、船内のトイレや大浴場の混雑状況が分かるシステム。個人的には欲しいと思ったサービス。(写真 津田千枝)

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