「話すベンツ」未来どうなる 開発者はたまごっち世代

小沢 もちろん。ジョージさんも知っているんですか?

マッシング 私はたまごっち世代です。20年前に登場したあとヨーロッパにもやって来て、当時の子ども達はみんな夢中になりました(笑)。

小沢 つまりあれはアジアスタイルだと?

マッシング そうだと思います。アジア人はああいう小さなデバイスを扱うのがとても好きですよね。

小沢 あのスタイルに驚異は感じていますか?

マッシング 感じてはいませんが、アプローチを注視しなければいけないと思っています。ですから中国にも日本にも韓国にも開発チームを置き、常に気を配っているのです。我々はかつて本社ですべての技術を開発し、それがいくつかの間違いにつながったと感じています。今は現地の要望をちゃんと聞いてそれを反映し、変更しながらやっているのです。

小沢 プレミアムの自動車ブランドとテクノロジーの関係が変わりつつあると感じています。昔は走り味やデザインが大切でしたが、テクノロジーの重要性が非常に高くなっている。特にCASEと言われるハイテクが。 ※注 CASEは、「コネクティビティ(接続性)」「オートノマス(自動運転)」「シェアードモビリティー(共有サービス)」「エレクトリックモビリティ(電動化技術)」の頭文字を取ったもの。

マッシング そこで気を付けなければいけないのは、技術の追究ではなく使い方です。例え高度なテクノロジーがあってもお客様が使えなかったり、インターフェースが難しくては意味がありません。一番の挑戦は良いテクノロジーをベースにいい物をつくり出すこと。お客様の体験として新たに創出することなのです。

小沢 それが新しい自動車プレミアムなのだと。

マッシング その通りです。

ジョージ・マッシング(Georges Massing) ドイツ出身46歳。メルセデス・ベンツのユーザー・エクスペリエンス開発担当。アイロマティカリー・エンジニアとしてエアバス社勤務。その後2000年に自動車業界に転身。飛行機のコクピット開発で培ったソフトウェア技術は、そのまま自動車のユーザー・エクスペリエンス開発にも生かせるという
小沢コージ
自動車からスクーターから時計まで斬るバラエティー自動車ジャーナリスト。連載は日経トレンディネット「ビューティフルカー」のほか、「ベストカー」「時計Begin」「MonoMax」「夕刊フジ」「週刊プレイボーイ」、不定期で「carview!」「VividCar」などに寄稿。著書に「クルマ界のすごい12人」(新潮新書)「車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本」(宝島社)など。愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ、シティ・カブリオレなど。

(編集協力 北川雅恵)

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