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転ばぬ先の不動産学

住まいの災害リスクは自分で調べる 業者頼みは危険 不動産コンサルタント 田中歩

2019/3/6

2018年は大災害が多く、「今年の漢字」も「災」となった(12月12日、京都市東山区)

8年前の3月11日に発生した東日本大震災をはじめ、阪神大震災、広島市土砂災害、関東・東北豪雨、熊本地震、西日本豪雨、大阪北部地震、北海道胆振東部地震――。平成は大きな災害に相次いで見舞われた時代でした。特に2018年は「今年の漢字」が「災」となったように大災害の多い年でした。大規模な災害が多発したため、私たち一人ひとりの防災意識が高まり、それに伴って水害のハザードマップや地震の被害マップといった公的な情報が少しずつ知られるようになったと思います。しかし、住まいを選ぶ際、自ら積極的にこれらの情報を調べる人は、必ずしも多くないでしょう。

■不動産業者、説明義務なし

宅地建物取引業法では、不動産業者は売買契約を締結する前に、権利関係や建築上の規制、その他の重要な事項について記載された重要事項説明書を買い主に対して交付するとともに、宅地建物取引士にこれを説明させなければなりません。

説明しなければならない事項は宅地建物取引業の施行規則に規定されていますが、災害のリスクについて説明する義務があるのは、造成宅地防災区域・土砂災害警戒区域・津波災害警戒区域にその不動産がある場合などに限定されています。

洪水ハザードマップで大雨のときに浸水する可能性がある場所、液状化マップでその可能性が高い場所であっても、一般的には説明義務はないとされています。

このため、住まいを購入した後に浸水被害にあったり、液状化などで建物が傾いたりしたとしても、重要事項説明で説明がなかったことを理由に仲介業者や売り主に対して契約解除や損害賠償を求めるのは難しいといわれています。だからこそ、不動産業者に任せきりにするのではなく、主体的にその土地の災害リスクについて調る必要があります。

■まず国交省のポータルサイトをチェック

まずチェックしたいのは、国交省ハザードマップポータルサイト(https://disaportal.gsi.go.jp/index.html)にある「わがまちハザードマップ」です。わがまちハザードマップは各自治体が発表しているハザードマップにアクセスできるサイトです。自治体によって公表の有無に差があるものの、洪水ハザードマップや、高台などでも浸水する可能性があるエリアを示す内水ハザードマップ、土砂災害ハザードマップなどが閲覧できます。

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